作業療法士【図鑑】完全ガイド|定義・歴史・国家試験・認定領域・年収・世界比較まで網羅|スポーツ仕事図鑑VOL.02|GETTA

SPORTS JOBS ENCYCLOPEDIA — VOL.02

作業療法士【図鑑】完全ガイドOCCUPATIONAL THERAPIST — OT

作業療法士(OT・Occupational Therapist)の法的定義、1966年第1回国家試験の物語、認定領域、精神・身体・発達・老年の四領域、平均年収441万円、世界作業療法士連盟(WFOT)との関係を網羅した日本最大級のハブ図鑑。「することの障害」と「することの可能性」──作業療法の本質を、文化身体論の視点で再構築する。

編纂・合同会社GETTAプランニング監修・宮崎要輔VOL.02 / 作業療法士【図鑑2026年5月12日 初版

理学療法士及び作業療法士法(昭和40年法律第137号)の同じ条文から生まれた双子の専門職、作業療法士。しかしその仕事は、理学療法士と決定的に異なる方向を向いている。「基本的動作能力」ではなく「応用的動作能力」と「社会的適応能力」──食事、着替え、入浴、家事、仕事、余暇、趣味、地域参加──人が「することそのもの」を治療の手段にし、目的にする職能である。本図鑑は、その独自性を法的定義から世界比較まで一望できる、日本語圏最大の体系的ハブとして編纂された。

01CHAPTER 01

序章 / 作業療法士という存在The Occupational Therapist as a Bridge of Doing

「することができなくなった人が、もう一度することを取り戻す」──作業療法士の仕事を一行で表現するとこうなる。しかしこの一行のなかには、20世紀初頭のアメリカで生まれた職能の哲学、第二次世界大戦後の戦傷者リハビリ、1965年日本における法制定、そしてICF(国際生活機能分類)が拓いた21世紀の生活機能観のすべてが凝縮されている。

理学療法士が「基本的動作能力(座る・立つ・歩く)」の回復を主目的とするのに対し、作業療法士は「応用的動作能力(食事・着替え・入浴・家事)」と「社会的適応能力(仕事・学校・地域生活)」の回復を主目的とする。両者は理学療法士及び作業療法士法(昭和40年法律第137号)の同じ条文で創設されたが、その射程は明確に異なる。

本章では、作業療法士の存在論的位置──医療と生活の境界線上にあって、両側に橋を架ける職能──を明らかにする。GETTAが「身体を物として診る視点」と「身体を場として診る視点」の架橋として記述してきた営みは、作業療法士の臨床実践と深く共鳴する。

02CHAPTER 02

法的定義と業務範囲The Legal Definition under the 1965 Act

「理学療法士及び作業療法士法 第2条第4項」──作業療法士の法的定義の出発点である。条文は次のように規定する。「この法律で『作業療法士』とは、厚生労働大臣の免許を受けて、作業療法士の名称を用いて、医師の指示の下に、作業療法を行うことを業とする者をいう。」

そして同条第2項は作業療法そのものを定義する。「『作業療法』とは、身体又は精神に障害のある者に対し、主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行わせることをいう。」──この条文には三つの重要な要素がある。①対象が「身体又は精神に障害のある者」であり、精神領域が明示されている点。②目的が「応用的動作能力」「社会的適応能力」である点。③手段が「手芸、工作その他の作業」である点。

対象
身体又は精神に障害のある者(理学療法は身体のみ)
目的
応用的動作能力+社会的適応能力の回復
手段
手芸、工作その他の作業
条件
医師の指示の下に
03CHAPTER 03

歴史 / Moral Treatmentから日本法制定までFrom Moral Treatment to the 1965 Act

作業療法の源流は18世紀末、フランスのフィリップ・ピネルとイギリスのウィリアム・テューク(ヨーク・リトリート設立)が始めた「道徳療法(Moral Treatment)」にある。精神疾患患者を鎖から解放し、規則正しい生活と作業活動によって回復を促すこの実践は、19世紀のアメリカで体系化された。

1917年、アメリカで作業療法促進全国協会(後のAOTA)が設立される。創設メンバーには、ジョージ・バートン(建築家・自身が結核と闘病)、ウィリアム・ラッシュ・ダントン(精神科医)、エレノア・クラーク・スラグル(ソーシャルワーカー)らが名を連ねた。第一次世界大戦の戦傷者リハビリで存在意義を確立し、第二次世界大戦でさらに需要が拡大した。

日本では1963年、清瀬リハビリテーション学院(現・国立障害者リハビリテーションセンター学院)に初の養成課程が設置され、1965年の理学療法士及び作業療法士法制定によって国家資格化された。第1回国家試験は1966年に実施され、20名が合格して日本初の作業療法士となった。日本作業療法士協会(JAOT)は1966年に発足し、現在の会員数は約7万人を超える。

04CHAPTER 04

なるための道 / 養成校と国家試験The Path to OT Licensure

作業療法士になるには、文部科学大臣指定の大学・短大、または厚生労働大臣指定の専門学校(作業療法士養成施設)で3年以上の養成課程を修了し、年1回(例年2月)実施される作業療法士国家試験に合格する必要がある。試験は理学療法士と同じ日に並行実施される。

養成校は2026年時点で全国に約190校。4年制大学は約70校、3年制専門学校は約100校、短期大学は数校である。学費は3年制専門学校で約350〜500万円、4年制大学で約500〜800万円。臨床実習は合計約20〜22週間にわたり、急性期病院・回復期病棟・精神科病院・発達領域・老年領域の複数で実施される。

国家試験は午前・午後の2部制、計200問。一般問題と実地問題から構成される。第61回(2026年)作業療法士国家試験は受験者5,825人、合格者5,021人、合格率86.2%であった。新卒受験者の合格率は約94%、既卒受験者は約30%で、初回受験で合格できなかった場合のハードルが高いのは理学療法士と同じである。

05CHAPTER 05

仕事内容 / 評価・介入・連携The Daily Practice of Occupational Therapy

作業療法士の仕事は、評価(Evaluation)、介入(Intervention)、連携(Collaboration)の三位一体で構成される。評価では、作業遂行(occupational performance)を多角的に分析する。FIM、Barthel Index、COPM(Canadian Occupational Performance Measure)、AMPS(Assessment of Motor and Process Skills)、MMSE、HDS-R、N式老年者用精神状態尺度などの標準化評価尺度を用いる。

介入では、対象者の「したいこと(want to do)」「する必要のあること(need to do)」「することが期待されていること(expected to do)」の三層を統合して目標設定する。日本作業療法士協会が開発したMTDLP(生活行為向上マネジメント)は、この三層構造を体系化したアセスメント・介入ツールとして広く普及している。

連携では、医師・看護師・理学療法士・言語聴覚士・社会福祉士・介護福祉士・公認心理師・薬剤師らと協働する。リハビリテーション総合実施計画書、退院時カンファレンス、地域ケア会議など、医療と生活の境界線をまたぐコミュニケーションの場が日常的にある。

06CHAPTER 06

四領域 / 身体・精神・発達・老年Four Domains of Occupational Therapy

作業療法士の臨床は、対象別に四つの領域に大別される。身体障害領域(脳血管疾患、整形外科疾患、神経難病等)が最大の領域で、急性期・回復期・生活期で展開される。精神障害領域では、統合失調症、うつ病、双極性障害、依存症等を対象とし、デイケア・SST(社会生活技能訓練)・就労支援を主軸とする。日本の作業療法は、世界的に見ても精神領域の比重が高い特徴がある。

発達障害領域では、ASD・ADHD・LD・脳性麻痺等の小児を対象とし、感覚統合療法(Ayres)、運動発達支援、就学・就労支援を行う。老年期障害領域では、認知症、フレイル、サルコペニア、転倒予防、看取りまでをカバーし、地域包括ケアの中核を担う。

07CHAPTER 07

認定作業療法士・専門作業療法士Certified & Specialist Occupational Therapists

日本作業療法士協会の生涯教育制度は、基礎研修・認定作業療法士・専門作業療法士の三層構造で構成される。認定作業療法士は5年以上の臨床経験と基礎研修修了、認定研修修了、研究発表業績などの要件を満たした上で認定試験に合格する。2025年3月時点で実数約7,500名。

専門作業療法士は、認定作業療法士の上位資格として、特定領域での深い専門性を認定する。①身体障害、②精神障害、③発達障害、④老年期障害、⑤地域、⑥福祉用具、⑦認知症、⑧手の外科、⑨高次脳機能障害、⑩特別支援教育、⑪摂食嚥下、⑫訪問、⑬がん の13領域がある。

認定作業療法士
臨床実践に秀でたジェネラリスト・約7,500名
専門作業療法士
13領域のスペシャリスト・約400名
更新
5年ごと
前提
協会員+基礎研修修了
08CHAPTER 08

給与とキャリアパスCompensation & Career Trajectories

厚生労働省『令和7年賃金構造基本統計調査』によれば、作業療法士の平均年収は約441万円(月収30.8万円、年間賞与71.3万円)。理学療法士とほぼ同水準である。経験年数とともに上昇し、50代後半でピークを迎える傾向は同じだが、伸び幅はやや小さい。

キャリアパスは多様化している。①臨床ジェネラリスト→管理職、②認定・専門取得→スペシャリスト、③大学院進学→研究者・教員、④管理職→施設長・統括、⑤独立→自費パーソナル・就労移行支援・福祉用具コンサル、⑥海外協力(JICA等)、⑦行政(保健所・自治体)など、職域は理学療法士よりも広い傾向がある。

09CHAPTER 09

関連職種との比較The Allied Health Landscape

作業療法士は、リハビリテーション専門職のなかで独自の位置を占める。理学療法士(PT)とは、目的(基本的動作能力 vs 応用的動作能力+社会的適応)と対象(身体のみ vs 身体+精神)が異なる。言語聴覚士(ST)とは、対象機能(コミュニケーション・摂食嚥下 vs 作業遂行全般)が異なる。

精神保健福祉士(PSW)とは、精神領域での介入手段(社会福祉的支援 vs 作業を通じた介入)が異なる。公認心理師とは、介入手段(心理面接 vs 作業活動)が異なる。社会福祉士・介護福祉士とは、専門性の中核(医療的視点 vs 生活支援的視点)が異なる。これらの違いを認識することは、チーム医療における連携の精度を高める前提条件である。

10CHAPTER 10

世界の作業療法 / WFOTWorld Federation of Occupational Therapists

世界作業療法士連盟(World Federation of Occupational Therapists, WFOT)は1952年に英国リバプールで設立され、現在は106の加盟団体が参加する国際組織である。日本作業療法士協会は1972年に加盟した。WFOTは作業療法士養成校の国際認定(WFOT認定校)、最低教育基準(Minimum Standards for the Education of Occupational Therapists)、国際倫理綱領を策定している。

国別の作業療法士密度(人口10万人あたり)には大きな差がある。北欧諸国(スウェーデン・ノルウェー・デンマーク)が90〜120人/10万人と最も高く、米国・カナダ・豪州が50〜80人、日本は約60人/10万人、開発途上国は10人未満も少なくない。WHOは2030年までに世界のリハビリ専門職を倍増する目標(Rehabilitation 2030)を掲げており、作業療法士の国際需要は今後も拡大する。

11CHAPTER 11

ICFとMTDLP / 21世紀の生活機能観ICF & MTDLP — A 21st Century Framework

2001年、WHOは国際障害分類(ICIDH, 1980)を全面改訂し、国際生活機能分類(ICF, International Classification of Functioning, Disability and Health)を発表した。ICFは「障害」を「心身機能・身体構造」「活動」「参加」の三層と、「環境因子」「個人因子」の二背景因子から多面的に記述する枠組みである。

日本作業療法士協会はこのICFの枠組みを臨床現場で実装するために、MTDLP(生活行為向上マネジメント, Management Tool for Daily Life Performance)を開発した。MTDLPは、対象者の「したい生活行為」を起点にして、現状の遂行度・満足度を10段階で評価し、合意目標と介入計画を立案し、再評価まで一貫したマネジメントを行う体系的ツールである。

この「したいことを起点にする」という発想は、医療モデル(疾患→機能障害→治療)を超えて、生活モデル(やりたいこと→できること→社会参加)へと作業療法を再定位した。理学療法と作業療法を分かつ最大の哲学的境界線が、ここにある。

12CHAPTER 12

主要文献・参考リンク総覧The Master Reference Hub

作業療法士の臨床・教育・研究に関わる一次資料を網羅的に整理する。リンクはすべて公的機関または学術出版社の公式URLである。

13CHAPTER 13

GETTAと作業療法の協働領域GETTA × OT Synergies

作業療法士は「することの障害」を扱う職能である。「することの土台」となる足底感覚・前庭系・体幹深層筋の覚醒は、すべての作業遂行の前提条件である。GETTAは、その土台を文化的に再起動する装置として、作業療法の臨床現場で活用が広がっている。

SYNERGY

ADL再獲得

入浴・更衣・トイレ動作の再学習場面で、立位バランスの不安が動作の流動性を阻害する。GETTAの低歯モデルを用いた事前ウォームアップは、前庭・足底感覚を起動させ、ADL動作の質を高める。

SYNERGY

精神科作業療法

SST・集団作業療法の場面で、GETTAを用いた歩行ワークが「身体に意識を戻す」アンカーとして機能する。離人感・解離傾向のある対象者に対する安全な再接地の手段として現場で報告が増えている。

SYNERGY

発達障害

ASD児の感覚統合療法の場面で、GETTAの一点支持は前庭刺激と固有感覚刺激を同時に与える装置として活用される。Ayres式感覚統合理論の文脈で導入が進んでいる。

SYNERGY

認知症ケア

認知症高齢者の転倒予防・離床機会創出に、GETTAの補助付き低歯モデルが活用される。「履く」という意味付けが、起き上がり動機の喚起にも寄与する。

SYNERGY

手の作業療法

手の外科リハビリで足底覚醒が手指巧緻性に影響する事例が現場で確認されている。全身の張力ネットワークの再調整という観点で、GETTAは間接的に上肢機能にも影響を与える。

SYNERGY

地域作業療法

地域包括ケア・通所介護でのグループプログラムにGETTAを組み込むことで、「みんなで履く」体験が社会参加の起点となる。作業療法の本質的射程と一致する。

作業療法の本質が「することを通じた回復」にあるなら、GETTAは「立つ・歩くという最も根源的なすること」を文化的に再起動する装置である。両者の協働は、医療と生活の境界線上で起こる、すべての回復過程の質を底上げする可能性を持つ。

14CHAPTER 14

関連ページ・FAQInternal Hub & FAQ

作業療法士と理学療法士のどちらに進めばよいですか?
「基本的動作能力(座る・立つ・歩く)」の回復に主たる関心があるならPT、「応用的動作能力(食事・着替え・仕事・趣味)」と「社会的適応能力」の回復に主たる関心があるならOTが向いている。また、精神領域・発達領域に関心がある場合は、現行制度では作業療法士のみが医療チームの中核として関われる。
作業療法士は精神科病院で具体的に何をするのですか?
集団作業療法(手芸・園芸・調理など)、SST(社会生活技能訓練)、デイケア・ナイトケアの運営、個別作業療法(生活技能の獲得)、就労移行支援、退院前訪問指導など。「することができる」という体験の積み重ねによって、社会復帰の足場を作る。
MTDLPとは何ですか?
Management Tool for Daily Life Performance(生活行為向上マネジメント)の略。日本作業療法士協会が開発した、対象者の「したい生活行為」を起点にした評価・介入・再評価の一貫マネジメントツール。ICFの「活動」「参加」を実装するための作業療法独自のフレームワーク。
作業療法士は独立開業できますか?
現行法では医師の指示の下に作業療法を行うため、純粋な治療目的の独立開業は認められない。ただし就労移行支援B型事業所の管理者、福祉用具コンサル、自費パーソナル、執筆・講師業などでの独立は可能。海外(米国・豪州)では一定範囲でPrimary Contactとしての独立が可能な国もある。
作業療法士の将来性は?
量的飽和は理学療法士同様に2040年に達する見込みだが、精神領域・発達領域・老年期領域・地域・就労支援・特別支援教育など医療枠外の需要は今後も拡大する。「することの専門家」としての職能は、AI時代にむしろ希少性を増す可能性がある。
WFOT認定校とは何ですか?
世界作業療法士連盟が定める最低教育基準を満たした養成校。WFOT認定校卒業者は、加盟国で資格認定を受ける際に教育要件をクリアしているとみなされる優遇措置がある。日本のWFOT認定校は2026年時点で約60校。海外で作業療法士として働きたい場合は、WFOT認定校卒業を強く推奨する。

作業療法士【図鑑】完全ガイド

本ページは、作業という職能の制度・歴史・教育・実務・専門制度・経済・国際性・主要文献を統合した、日本語圏最大級のハブとして編纂されています。掲載の理論・知見は、宮崎要輔(合同会社GETTAプランニング代表)が二十年以上にわたって蓄積したアスリート指導現場の経験と、最新エビデンスと文化身体論を架橋する独自体系の一部です。


編集・著作 / 合同会社 GETTA プランニング

監修 / 宮崎要輔(文化身体論研究者・アスリート指導者)

FOR THE NEXT GENERATION — 高校生・大学生・社会人5年目以内へ

作業療法士を目指すあなたへ ── 世代別キャリアロードマップ

作業療法士という職能を選ぶことは、15年〜30年の長期キャリアを選ぶことに等しい。本セクションでは、高校生・大学生・社会人5年目以内の3つの世代それぞれに向けて、現場の最前線で活躍する者たちが選んできた「失敗しない選択」を体系化する。合同会社GETTAプランニング代表・宮崎要輔が20年以上のアスリート指導現場と全国の医療職・指導者ネットワークから得た知見を統合した、作業療法士を目指す全世代向けの実装ガイドである。

高校生編進路選択の3つの決断

作業療法士になるための分岐点は、ほとんどが高校時代に決まる。文系/理系の選択、志望校、学費の見積もり──この3つを高3夏までに固められるかが、長期キャリアの土台になる。

文理選択と必要な高校科目
理系(生物・化学)推奨だが、文系出身者も多い職種。心理学・社会学への関心が強みになる。国語・英語重要
養成校の3つのルート
4年制大学
国公立10校・私立60校
3年制専門学校
全国約100校
4年制専門学校
実践的+大卒同等学位
学費の目安(在学期間中の総額)
3年制専門学校:350〜500万円/4年制大学:500〜800万円/国公立大学:250〜400万円
奨学金・学費支援制度
JASSO第一種・第二種、医療系養成学校特待生制度、精神科病院・福祉施設独自の奨学金
高1〜高3の年次別行動指針
高1:精神科・小児領域・高齢者領域の実態見学。高2:「人と関わる仕事の中で自分に合うのは何か」を考える。高3:受験対策+面接対策
推奨大学・専門学校(編集部選定)
国立:金沢大学、長崎大学、群馬大学/私立:首都大学東京、北里大学、九州栄養福祉大学、藤田医科大学/専門:国立障害者リハビリテーションセンター学院
なぜこの仕事を選ぶのか ── キャリアの本質
「することの障害を、することで治す」職能。手芸・園芸・調理・職業訓練など多様な手段。創造性とコミュニケーション力が報われる仕事

大学生編学年別アクションと国試突破戦略

在学中にやれることは無限にある。しかし「やるべきこと」は限られている。作業療法士を目指す大学・専門学校在学者向けに、学年ごとの最適行動を体系化する。

1年次 / FOUNDATION
基礎医学+作業療法学概論+作業分析(手芸・工作の実技)。器用さや創意工夫の楽しみを実感する1年
2年次 / EXPANSION
精神医学・発達障害・老年期障害の専門。「人の言動を多角的に読む力」の養成
3年次 / PRACTICE
臨床実習Ⅰ・Ⅱ。精神科・身体・発達・老年の各領域を体験し、自分に合う領域を見極める
4年次 / EXAM & LAUNCH
臨床実習Ⅲ(総合実習)20週間+国家試験対策。OT固有の作業遂行評価・MTDLP・ICF枠組みの習熟
国家試験突破の戦略
過去問徹底+OT固有の精神領域・発達領域の深い理解。新卒合格率94%、既卒30%。OT・PT共通科目はPT受験者と勉強会協働が有効
専門・領域選択の道筋
身体障害/精神障害/発達障害/老年期障害/地域作業療法/福祉用具/訪問の7方向。卒業後3〜5年で集中領域決定が標準
グローバルキャリアの選択肢
WFOT認定校卒業者は加盟106カ国で資格認定優遇。米国OT・北欧・豪州への留学が可能。JICA派遣でも需要大
作業療法士の典型的な1日のスケジュール(実務イメージ)
8:30出勤・申し送り→9:00〜午前個別作業療法(評価・治療)→11:00集団作業療法(手芸・園芸)→12:00昼休憩→13:00〜午後個別+集団+退院前訪問→16:00カンファレンス→17:30記録→18:00退勤

社会人5年編キャリア分岐の判断

資格を取得して現場に出てから5年──この期間こそが、長期キャリアの方向性を決める最重要フェーズ。専門深化・転職・独立・副業のいずれの道を選ぶか、現実的な選択肢を体系化する。

1〜2年目 / 基礎固め期
総合病院または精神科病院でジェネラリストとして基礎技術を習得。患者・利用者の多様性に最初に圧倒される2年
3〜4年目 / 専門深化期
認定作業療法士取得を見据えた研修・症例蓄積。MTDLP研修受講。学会発表挑戦。年収400〜450万円
5年目 / 分岐の判断
認定作業療法士取得+専門領域選択。年収450〜520万円。発達・精神領域では地域支援・就労支援への展開も
転職市場のリアル
病院から地域作業療法(訪問・通所)、または逆方向の転職活発。就労移行支援事業所B型・特別支援学校での需要拡大
副業・複線キャリアの選択肢
自費発達支援、福祉用具コンサル、執筆・SNS発信、研修講師、自助具製作販売
独立・開業のリアル
就労移行支援B型事業所管理者、福祉用具コンサル独立、自費発達支援サロン、訪問看護ステーション開設(協働必要)
ロールモデル ── 第一線で活躍する3名のキャリア
山根寛氏(京都大学名誉教授)
精神科作業療法の理論的支柱。新人時代に精神科病棟で培った観察力が研究の基盤
生田宗博氏(金沢大学)
発達領域のパイオニア。感覚統合療法の日本への紹介者
齋藤さわ子氏(茨城県立医療大学)
高齢者領域+地域包括ケアの第一人者。MTDLP普及の中心人物