レジリエンス図鑑|Resilience Encyclopedia|国内最大規模の思想統合ハブ|getta.jp

RESILIENCE ENCYCLOPEDIA

レジリエンス図鑑— Japan’s Largest Hub of Resilience Thought —

ラテン語 resilire(再び跳ぶ)から、Holling 1973 の生態学、Werner のカウアイ島研究、Cyrulnik、UNDRR、IPCC、ARUP/100RC、内閣官房 国土強靱化、京都市レジリエンス戦略まで——
「衝撃を吸収しつつ機能を保ち、より良く立ち直り、必要なら新しい形へ移行する力」を、社会課題解決の担い手 の全13巻で網羅する、日本最大規模のレジリエンス思想統合ハブ。

監修・編集 / 合同会社GETTAプランニング 代表 宮崎要輔

レジリエンスとは何かWhat is Resilience?

CORE DEFINITION

レジリエンス(resilience)とは、ラテン語 resilire(再び跳ぶ)に語源を持ち、物理学の弾性概念から、Holling(1973)の生態学、Werner・Cyrulnik らの心理学へと広がってきた、「衝撃を吸収しつつ機能を保ち、より良く立ち直り、必要なら新しい形へ移行する力」を指す概念である。本図鑑はこの力を、貧困・孤立・災害・格差といった社会課題の現場で実際に担う主体──ソーシャルビジネス・NPO・中間支援組織(NPOセンター)──の実践として捉え直す。

本図鑑は、語源・概念史から、生態系・社会-生態系・心理・教育・地域コミュニティ・身体・哲学、そして社会課題解決の担い手であるソーシャルビジネス/NPO/中間支援(NPOセンター)まで、しなやかに立ち直る力とその担い手を、Holling/Werner/Cyrulnik/枝廣淳子+藤田裕之らの系譜とともに解説する。

日本NPOセンター・内閣府NPO・経済産業省など社会課題解決の一次資料への直リンクを優先し、研究・公式・実践事例への外部リンクを多数収録。レジリエンスを「立ち直りを担う人と組織の実践」として読み解くリファレンスとして公開する。

定義の七つ星 ─ 国際標準7定義Seven Stars of Definition

レジリエンスは単一の定義に収まらない。本図鑑は、世界の主要組織・研究者が提示する7つの一次定義を並置し、相互参照することで多面的理解を可能にする。

UNDRR — 国連防災機関

「ハザードに曝露されたシステム、コミュニティ、社会が、ハザードの影響に対し、抵抗し、吸収し、受容し、適応し、変容し、適時かつ効率的に回復する能力」(仙台防災枠組2015-2030用語集)。
UNDRR 公式

IPCC AR6 — 気候変動に関する政府間パネル

「基本的な機能、アイデンティティ、構造を維持する能力に加え、変容する能力を含む」もので、適応とは単なる「ばね返り」ではなく変容能力をも包含する。
IPCC AR6 SYR Annex I

ARUP — City Resilience Framework

「都市(個人・コミュニティ・機関・企業・システム)が、慢性的ストレスと急性ショックを経験しても、生存し、適応し、繁栄する全体的能力」(4次元×12目標×52指標×156質問)。
ARUP 公式

内閣官房 — 国土強靱化(ナショナル・レジリエンス)

「国家のリスクマネジメントであり、強くてしなやかな国をつくること」。2013年「強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法」に基づき運用。
内閣官房

京都市レジリエンス戦略

「悪影響を及ぼす外からの力や、内部で生じる様々な困難な問題に、屈することなく粘り強く対処し、克服し、より良く発展する能力」。突発的ショックと慢性ストレスの両者を対象。
京都市

枝廣淳子 — 日本語入門書の標準

多様性モジュール性緊密なフィードバック」の3要素から成る。生態系・心理・教育・防災・地域・都市・気候に分野横断的に展開(東洋経済新報社, 2015)。
イーズ

C.S. Holling — 原典 (1973)

生態系を「平衡点へ戻る速さ=工学的レジリエンス」と「攪乱を吸収し別の安定領域へ移行せずに同じ構造・機能・アイデンティティを保つ大きさ=生態学的レジリエンス」とに区別。
原論文 PDF

APA — 米国心理学会

「逆境、トラウマ、悲劇、脅威、重大なストレス要因に適応するプロセスとアウトカム」。特性論ではなく学習可能なプロセスとして扱われる。
APA 公式

2つの要素 × 4つの状態Two Elements × Four States

レジリエンスは「しなやかさ(resistance / absorbance)」と「回復力(recovery / reorganization)」の二要素から成る。京都市レジリエンス戦略の言葉では「ダメージを受けても粘り強くしなって元に戻りながら、以前よりもよく立ち直る状態」。

状態意味近接概念
Fragile(脆い)衝撃で崩壊する
Robust(頑健)衝撃に動じず変化しないロバストネス
Resilient(しなやか)衝撃を吸収し、元に戻る/新たな形へ移行する本図鑑の主題
Antifragile(反脆弱)衝撃を糧にして強くなるN.N. タレブ

サステナビリティ/ロバストネス/アダプテーション/アンチフラジャイル(タレブ)はいずれもレジリエンスの近接概念であり、本図鑑は第15巻「哲学・中動態」で詳述する。

全13巻インデックスAll 20 Volumes

15領域×5主要思想家 = 全13巻。各巻は独立して読めるが、本図鑑全体を通読することで、レジリエンス思想の到達点を統合的に把握できる構成にしている。

VOL.01語源・概念史図鑑Etymology & Conceptual Historyラテン語 resilire(再び跳ぶ)から、Holling 1973の生態学論文、Werner、Cyrulnik、UNDRR、IPCC、100RC、内閣官房まで——「跳ね返る力」が学問領域を越境した約2300年の系譜を辿る。詳細を読むVOL.02生態系レジリエンス図鑑Ecological ResilienceHolling 1973の原典「Resilience and Stability of Ecological Systems」を中心に、工学的レジリエンスと生態学的レジリエンスの区別、複数安定領域、適応サイクル、Resilience Allianceの研究系譜を解説。詳細を読むVOL.03社会-生態系レジリエンス図鑑Social-Ecological Systems ResilienceWalker, Holling, Carpenter & Kinzig (2004) の resilience/adaptability/transformability 三属性、adaptive cycle、panarchy 理論。社会システムと生態系を一体として捉える21世紀の枠組み。詳細を読むVOL.04心理レジリエンス図鑑Psychological ResilienceWerner のカウアイ島40年縦断研究、Cyrulnik の trauma 後の発達再開、Bonanno のレジリエンス軌道分類、APA の「適応プロセス」定義。個人の心理を支える保護要因と促進プロセスを完全解説。詳細を読むVOL.05子どもの教育・子育てレジリエンス図鑑Resilience in Child Development & Education自己肯定感・自尊感情・ソーシャルサポート・caring adult。Masten「ordinary magic」、Rutter のリスク研究、文部科学省の生きる力。子どもがしなやかに育つ条件を、最新研究と日本の教育政策から解読する。詳細を読むVOL.06地域コミュニティ・レジリエンス図鑑Community Resilience学区自治、地区防災計画、自治会・町内会、コミュニティスクール、ソーシャル・キャピタル理論。京都の元学区文化、神戸の「人と防災未来センター」、福島の再生実践など日本固有の地域力を解説。詳細を読むVOL.07スポーツ・身体レジリエンス図鑑Sport & Body ResilienceFletcher & Sarkar (2012) のオリンピック金メダリスト5因子モデル、Jones らのメンタル・タフネス12属性、McEwen の「能動的適応的可塑性」、Hermans の神経可塑性総説。身体レジリエンスを科学する。詳細を読むVOL.08レジリエンスの哲学・中動態図鑑Philosophy of Resilience & Middle Voiceベルクソンの élan vital、ダンカンの鳩尾、ドゥルーズの強度、國分功一郎の中動態、ジル・ドゥルーズの差異の哲学——「外的衝撃を内的差異化エネルギーへ変換する力」としてのレジリエンスを哲学する。詳細を読むVOL.09C.S. Holling 図鑑C.S. HollingCrawford Stanley ‘Buzz’ Holling(1930-2019)。1973年論文 ‘Resilience and Stability of Ecological Systems’、adaptive cycle、panarchy 理論。21世紀のレジリエンス思想の創始者。詳細を読むVOL.10Emmy Werner・カウアイ島研究図鑑Emmy Werner & The Kauai StudyEmmy Werner(1929-2017)のハワイ・カウアイ島で1955年生まれの698人を40年間追跡した縦断研究。「ハイリスク群の3分の1がレジリエンスを示し、caring, competent, confident に育つ」発見。詳細を読むVOL.11Boris Cyrulnik 図鑑Boris Cyrulnikボリス・シリュルニク(1937- )。フランスの精神科医・神経学者・倫理学者。「trauma 後に新たな発達を再開する進化的メカニズム」としてレジリエンスを普及。2024年新著で概念の政治的悪用を警告。詳細を読むVOL.12枝廣淳子&藤田裕之・日本レジリエンス図鑑Edahiro Junko & Fujita Hiroyuki日本語圏のレジリエンス論をリードする二人。枝廣淳子の「多様性・モジュール性・緊密なフィードバック」三要素論と、藤田裕之 CRO(レジリエント・シティ京都市統括監)の京都モデルを完全解説。詳細を読むVOL.13ソーシャルビジネス&NPOレジリエンス図鑑Social Business & NPO Resilience社会課題解決の担い手=ソーシャルビジネス・NPO・中間支援組織(NPOセンター)の実践として、しなやかに立ち直る力を捉え直す。伴走支援・社会的インパクト評価・コレクティブインパクトまで網羅。詳細を読む

京都モデル ─ 世界文化自由都市の到達点The Kyoto Model

京都市は2016年5月、100 Resilient Cities の世界100都市の一つに選定。
2019年「京都市レジリエンス戦略」、2021年「SDGs未来都市計画」、そして2025年12月12日に議決された京都基本構想(2026-2050)へと、文化を基軸とした統合的レジリエンスを実装してきた。

世界文化自由都市宣言(1978)を最上位理念に、
「歴史と文化を介して人間性を恢復できるまち/自然への畏敬と感謝の念を抱けるまち/自他の生をともに肯定し尊重し合えるまち」
これを世界へ提示していくまちの姿として明記する稀有な都市である。

京都モデル — 世界に提示するレジリエンス都市

京都市は2016年5月に100 Resilient Cities 世界100都市に選定。世界文化自由都市宣言(1978)を最上位理念に、レジリエンスとSDGsの統合を実装している。

FAQ ─ よくある質問Frequently Asked Questions

レジリエンスとサステナビリティの違いは?
サステナビリティはシステムが概ね順調に維持・発展することを目指す。レジリエンスは「浮き沈み」「ショック」「変容」を前提として捉える。京都市レジリエンス戦略 CRO メッセージにも明記されている重要な区別であり、両者は対立ではなく相補的に運用される。
レジリエンスとアンチフラジャイル(タレブ)の違いは?
N.N. タレブ『Antifragile』(2012)が提示するアンチフラジャイルは、「衝撃を受けるほどむしろ強くなる性質」。レジリエンス(元に戻る/変容する)よりも積極的に「ゆらぎを糧にする」概念。Fragile→Robust→Resilient→Antifragile の階層関係で整理される。GETTA の「鍛えるな、醸せ」思想は、ノイズ(一本歯)を糧にする点でアンチフラジャイル的でもある。
国土強靱化はレジリエンスと同じか?
同じ概念の日本語制度化版だが、運用上「コンクリート堤防中心」のハード偏重に流れる危険が指摘される(枝廣淳子 2015)。現代の国土強靱化基本計画(2023改定)は「ハード × ソフト両輪」「Eco-DRR」「コミュニティ防災」を統合し、Walker らの社会-生態系レジリエンス論との整合性を回復しつつある。本図鑑第7巻で詳述。
レジリエンスは個人の責任か社会の責任か?
両方であり、片方だけでは成立しない。Cyrulnik(2024)は新著で「レジリエンスがあれば国家支援は不要」式の新自由主義的悪用を厳しく批判している。レジリエンスは「個人と環境の相互作用プロセス」であり、個人の心理スキル・社会的支援ネットワーク・公的制度・文化的資源すべてが必要。本図鑑では中動態論(國分功一郎)・倫理資本主義(ガブリエル)と接続して論じる。
身体レジリエンスとは何か? GETTA との関係は?
身体レジリエンスとは「組織損傷・感覚情報変動に対し、神経・筋骨格・心血管系がしなやかに適応し、より高い協調性で再構築される能力」。Fletcher & Sarkar (2012) のオリンピック金メダリスト5因子、McEwen の能動的適応的可塑性が代表的研究枠組み。一本歯下駄GETTA は、一本の歯がもたらすノイズ(不安定性)を、確率共鳴・小脳予測制御・腱優位で「醸す」物理装置として身体レジリエンスを駆動する。本図鑑第14巻で詳述。

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