バックミンスター・フラー
──宇宙船地球号を操縦した動詞的存在
アメリカ合衆国の建築家・システム理論家・発明家・思想家・詩人・未来学者。ハーバード大学を二度退学し学位を生涯取得しなかったまま、ジオデシック・ドーム、テンセグリティ、シナジェティクス、ダイマクション、宇宙船地球号、エフェメラリゼーション、トリムタブといった概念と発明によって20世紀の建築・デザイン・環境思想に決定的な影響を与えた、20世紀最大の越境的知性。マーシャル・マクルーハンは彼を「我々の時代のレオナルド・ダ・ヴィンチ」と呼んだ。
“I live on Earth at present, and I don’t know what I am.
I am not a thing — a noun. I seem to be a verb,
an evolutionary process — an integral function of the universe.” 私は今この地球で生きている。だが自分が何であるかは分からない。
私はモノではない──名詞ではない。私は動詞であるらしい。
進化のプロセスであり、宇宙の不可分な機能である。
三相で読み解く生涯
Three Phases of “Bucky”フラーの生涯は、「近代エリートとしての形成と崩壊(前期)」「ミシガン湖畔の啓示と先取り的設計科学の確立(中期)」「ジオデシック・ドームと宇宙船地球号思想の世界的展開(後期)」という三つの時相に大別できる。各相の境界には、自己を消去しなかった選択と、自己を「動詞」として再定義した瞬間がある。
近代エリートの形成と全崩壊
マサチューセッツ州ミルトンで5代続くハーバード家系の長男として誕生。大叔母は超越主義運動の女性思想家マーガレット・フラー。ミルトン・アカデミー卒業後、1913年にハーバード大学入学も二度退学。第一次大戦中は米海軍に従軍し、墜落機救助艇のための救出装置を発明。1917年アン・ヒューレットと結婚。1922年、4歳の長女アレクサンドラを脊髄髄膜炎で失う。義父と共同で起業した建築会社Stockade Building Systemも経営権を奪われ、1927年に全財産を喪失。
ミシガン湖畔の啓示と先取り的設計
32歳の秋、シカゴ・ミシガン湖畔で入水自殺を考える。「お前は宇宙に属している」という声を聴き、自身を「実験台B(Guinea Pig B)」と名づけて生き直すことを決意。約二年間の自発的沈黙を経て「Comprehensive Anticipatory Design Science(包括的先取り的設計科学)」を打ち出す。Dymaxion House(1927)、Dymaxion Car(1933)、雑誌『Shelter』編集(1932)、『Fortune』誌の科学技術顧問(1938-40)。1928年に4D Tower、1943年にはダイマクション・ワールド・マップを発表。
ジオデシックの世界的展開と動詞的存在
1948年Black Mountain College夏期講習で初めてジオデシック・ドームの試作。1951年特許出願、1954年米国特許2682235取得。1956年Southern Illinois University教授就任、フラー自身もジオデシック・ドームの自宅に居住。1967年モントリオール万博米国館(直径76m)で世界的名声。28特許、30冊以上の著書、47名誉博士号。1962年ハーバードChristmas Eliot Norton詩学講座教授、1974年Mensa International第二代世界会長、1983年大統領自由勲章を受勲した10日後、ロサンゼルスで永眠。
略年譜
A Compressed Chronicle of 88 Years誕生から永眠までの約88年間を、設計史的・思想史的に重要な30の節目で辿る。
思想の核心──三本柱
Three Pillars of Bucky’s Thoughtフラーの膨大な発明と概念は、根源において三つの命題に収斂する。「動詞的存在論」「先取り的設計科学」「少ない資源でより多くを実現する原理」──この三本柱は、1927年ミシガン湖畔の啓示から56年間にわたって反復され、深化された。
私は動詞であるらしい
I Seem to Be a Verb1970年75歳の著書タイトル『I Seem to Be a Verb』に結晶した存在論。「私は名詞ではない──モノではない。私は動詞であるらしい。進化のプロセスであり、宇宙の不可分な機能である」。1927年に名詞的アイデンティティ(事業家・夫・父・ハーバード出身者)を全て失ったことが起点。完成した「もの」ではなく、進行中の「こと」として自分を再定義する立場。テンセグリティ構造はこの動詞的存在を物質として現出させた。
包括的・先取り的設計科学
Comprehensive Anticipatory Design Science政治と経済による事後対応ではなく、設計(design)による事前対応によって人類の生存問題を解決しようとする方法論。Comprehensive(包括的)は分業の拒否、Anticipatory(先取り的)は問題発生前の予防的設計、Design Science(設計科学)は経験則ではなく自然原理に基づく科学的設計を意味する。1927年以降フラーが死ぬまで掲げ続けた旗印。
少ない資源でより多くを
Doing More with Less / Ephemeralization「Ephemeralization(エフェメラリゼーション)」とフラーが造語した原理。技術と知の進歩によって、より少ない物質・エネルギー・労働で、より多くの機能を実現していくこと。スチュアート・ブランドの言葉では「doing more with less」。重力に逆らって押し合うのではなく、張力で吊る。圧縮材を最小化する。地球の有限資源を全人類に最大限分配する戦略の根本原理。ジオデシック・ドームもダイマクション・カーもこの原理の物質化。
ミシガン湖畔の夜──近代が剥がれた瞬間
The Lake Michigan Epiphany, Autumn 1927フラーの全思想は、1927年秋、シカゴのミシガン湖畔で起きた一つの出来事を起点にしている。32歳。事業破綻、長女の死、財産の全喪失。彼は生命保険金を家族に残すために入水自殺を考えていた。ところが──。
声を聴いた
湖畔に立ったその瞬間、フラーは地面から浮き上がるような感覚に包まれ、白い光の球体に包まれたという。そして声を聴いた。後年、彼は何度もこの瞬間に立ち戻りながら、回想を残している。
“You do not have the right to eliminate yourself. You do not belong to you. You belong to Universe. Your significance will remain forever obscure to you, but you may assume that you are fulfilling your role if you apply yourself to converting your experiences to the highest advantage of others.”── Buckminster Fuller, 1927年の啓示の回想(『Critical Path』他で繰り返し言及)
「お前は自分自身を消去する権利を持たない。お前はお前に属していない。お前は宇宙に属している。お前自身にとってお前の意義は永遠に見えないままだろう。しかし、自分の経験を他者の最大の利益に転換することに専念するなら、お前は自分の役割を果たしていると信じてよい」──。
フラーはこの瞬間を境に、自分自身を「実験台B(Guinea Pig B)」と名づけた。Bは「Bucky」のB。「一文なし、無名の人間が、妻と生まれたばかりの子を抱えながら、全人類のために何か有効なことができるだろうか」──この問いに、56年間、生身で応答し続けた。約二年間の自発的沈黙を経て、Comprehensive Anticipatory Design Science(包括的先取り的設計科学)が生まれた。
この夜は、フラーにとって永続的な出発点となった。彼は多くの講演や思考セッションを、棒高跳びの踏切板のように、1927年の再生の物語から始めた。答えが固まりかけるたびに、ミシガン湖畔の夜に立ち返り、もう一度「自分の中の正解」を手放した。
フラー七原理
Seven Principles of R. Buckminster Fuller2023年8月、日本の代表的建築誌『a+u』が編集した「フラーの7つの原理」を軸に、フラーが半世紀かけて打ち出した思考と設計の核を整理する。各原理は独立しているのではなく、相互に貫通しあう。
4D
Four-Dimensional Thinking1928年『4Dタイム・ロック』で提示。三次元空間に時間を加えた四次元的思考。建物を「凍結された瞬間」ではなく「時間の中で機能する装置」と捉える。4Dタワー、4Dハウスなどの初期提案の基盤思想。アインシュタインの時空概念を建築設計に持ち込んだ最初期の試み。
ダイマクション
Dymaxion「dynamic + maximum + tension」の合成語。1929年Marshall Field’s百貨店の宣伝コピーから商標化。Dymaxion House(吊り構造プレファブ住宅)、Dymaxion Bathroom(米国特許2220482)、Dymaxion Car(米国特許2101057、三輪流線型12人乗り)、Dymaxion Map(米国特許2393676、正二十面体投影地図)、Dymaxion Deployment Unit(DDU、第二次大戦時のレーダー基地用円形住居)に展開。
シナジェティクス
Synergetics「全体の振る舞いがその構成要素の振る舞いから予測できないシステム」を扱う幾何学。米国特許2986241(Synergetic Building Construction)として結実。基本単位は四面体(テトラヘドロン)と八面体(オクタヘドロン)の組み合わせ。1975年『Synergetics: Explorations in the Geometry of Thinking』、1979年『Synergetics 2』としてアップルホワイトとの共著で完成。
ジオデシック
Geodesic三角形の格子で球面を構成する構造。米国特許2682235(Building Construction、1954)。サイズが大きくなるほど構造強度が対数比で増大する唯一の建造形態。世界に30万棟以上が建設され、軍事レーダー基地、エプコットのSpaceship Earth、子供の遊戯施設まで広範に普及。フォードRotunda 88、モントリオール万博米国館(Expo 67)が代表作。
テンセグリティ
Tensegrity「tension(張力)+ integrity(統合)」の造語。米国特許3063521(Tensile-Integrity Structures、1962)。圧縮材同士が一切接触せず、張力ネットワークだけで全体が自立する構造。彫刻家ケネス・スネルソンが最初の物理模型を製作。後にドナルド・イングバーらにより細胞骨格・筋膜系に応用され「バイオテンセグリティ」として身体科学の根本原理となる。
デザイン・サイエンス
Design Science政治・経済・宗教ではなく「設計」によって人類の生存問題を解決する方法論。ハーレムの高層建築構想、マンハッタンを覆うドーム、テトラへドロン・シティ、トリトン・シティ(海上都市)、クラウド・ナイン(雲上浮遊都市)など実現困難な提案も含む。「現実主義」と「ユートピア主義」の二項対立を破る第三のアプローチ。
宇宙船地球号
Spaceship Earth地球を「閉じた一つの宇宙船」と捉える思想。1968年『Operating Manual for Spaceship Earth』で世界的に普及。Dymaxion Air-Ocean World、World Game(世界平和ゲーム)、Geoscope(光ファイバー地球儀)として具体化。「この宇宙船には取扱説明書が付いてこなかった」が代表的な命題。
主要概念30
Thirty Concepts in Bucky’s Universeフラーが造語または定式化した30の概念を、原語と共に整理する。これらは相互に絡まり合い、全体として一つのシナジェティック体系をなす。
動詞的存在
I Seem to Be a Verb名詞ではなく動詞。完成したモノではなく、進行中のプロセス。1970年の著書タイトル。
実験台B
Guinea Pig B1927年以降のフラー自身の自己規定。「Bはバッキー」。56年間の人生実験。
包括的・先取り的設計科学
Comprehensive Anticipatory Design Science分業を拒否し、問題発生前に予防的に設計する科学的方法論。フラー思想の方法論的中核。
エフェメラリゼーション
Ephemeralization少ない物質で多くを為す原理。「doing more with less」。技術進歩の根本方向。
シナジー
Synergy「部分の振る舞いから予測できない全体の振る舞い」。シナジェティクスの基本単位。
テンセグリティ
Tensegritytension+integrity。圧縮材同士が触れず、張力で統合される構造。1962年特許。
ジオデシック
Geodesic球面を三角形の格子で構成する構造。1954年特許2682235。世界に30万棟。
ダイマクション
Dymaxiondynamic+maximum+tension。1929年商標化。住宅・車・浴室・地図に展開。
宇宙船地球号
Spaceship Earth地球を閉じた一つの宇宙船と捉える思想。1968年同名著書で世界普及。
トリムタブ
Trim Tab船舶の小さな副舵。「個人は社会のトリムタブになれる」。墓碑銘「Call me Trimtab」。
クロノファイル
Dymaxion Chronofile1895年から続けた生涯記録ファイル。スタンフォード大学に約270リニアフィート分が現存。
テトラヘドロン
Tetrahedron四面体。シナジェティクスにおける最小・最強の構造単位。原子配列の基本。
ベクトル平衡体
Vector Equilibrium / Cuboctahedron立方八面体。フラーが最重要視した「全方向で力が均衡する」幾何形。
連続張力・不連続圧縮
Continuous Tension, Discontinuous Compressionテンセグリティの定義式。重力との対峙ではなく、張力での吊り上げ。
ワールド・ゲーム
World Game世界資源を全人類で最適分配するシミュレーションゲーム。SIU時代に開発。
ジオスコープ
Geoscope光ファイバーで世界資源を可視化する球状装置の構想。コンピュータ可視化の先駆。
世界デザイン科学十年
World Design Science Decade1965-1975年に展開した、地球規模の資源・人口問題を設計科学で解決する10年計画。
低圧の原理
Low Pressure Principle大きな力で押すのではなく、小さく均衡を崩して低圧を生み出すことで全体を動かす原理。
包括性
Comprehensivity専門分業を拒否し、複数領域を貫通する立場。「世界は専門家を雇いすぎた」。
同時的にではない出来事
Non-Simultaneously Apprehended Events「宇宙は同時に把握されない出来事から成る」。フラー独自の宇宙観の定式化。
クリティカル・パス
Critical Path1981年の最重要著書タイトル。人類が破滅か繁栄かを分ける50年間の決定経路。
巨人たちのうなり声
Grunch of Giants1983年最後の著書。GRUNCH=GRoss UNiversal Cash Heist(普遍総額現金強奪)。多国籍企業批判。
未知への信頼
Faith in the Unknown「信仰は信念より優れる。信念とは他者に思考を委ねることだ」。
失敗による前進
Advance by Mistake「私の進歩のほとんどは間違いによるものだった。何が無いかを知るとき、何が在るかが見えてくる」。
少ない人員での宇宙
No Secondhand God1962年詩集タイトル。神を二次的・媒介的にではなく直接体験する宇宙論。
ユートピアか忘却か
Utopia or Oblivion1969年著書。「あと25年で人類の運命は決まる」。1990年代までに変革しなければ忘却。
力に逆らわず使え
Don’t Fight Forces, Use Them1932年『Shelter』誌の標語。重力と対立するのではなく、味方にする設計姿勢。
カテゴリーではない
I Am Not a Category「私は建築家でも哲学者でも工学者でもない。私は宇宙の進化過程の一機能である」。
仕事は神聖な数式
Sacred Pattern of Work「人間が大勢のために働くほど、その人間は positively effective になる」。
蝶からの予測不可能性
There Is Nothing in a Caterpillar「毛虫の中には、それが蝶になることを示すものは何もない」。変態の予測不可能性。
代表的な発明・建造物・著作
Inventions, Structures, and Booksフラーは生涯で米国特許28件、著書30冊以上を残した。発明・建造物の代表17、著書の代表6を、年代順に整理する。
Dymaxion House
4Dハウス/ダイマクション・ハウス初のダイマクション設計。中央の支柱から床と屋根を吊り下げる革新的な構造。重量は通常住宅の1/10、価格は自動車程度を目指した量産プレファブ住宅構想。
Dymaxion Bathroom
ダイマクション・バスルーム金属プレス成型による一体型ユニットバス。配管・換気・照明まで工場生産で完結。後の現代ユニットバスの原型。
Dymaxion Car
ダイマクション・カー飛行機のように流線型を持つ三輪車。最高速度90mph、燃費30mpg、12人乗り。シカゴ万博で展示するも1934年の死亡事故で量産化頓挫。アプテラなど現代の三輪EVへの遠い祖先。
Nine Chains to the Moon
月への九つの鎖「全人類が肩を組んで立つと、月まで9本の鎖を作れる」というイメージから題された、テクノロジーの社会的応用戦略の体系書。彼の思想の最初の包括的提示。
Dymaxion Air-Ocean World Map
ダイマクション・エアオーシャン・ワールド『LIFE』誌1943年3月号に掲載。陸地の大きさと位置関係を歪めずに平面化した世界初の地図投影法。中央に北極を置き「一つの島」として陸地を表現可能。
Wichita House
ウィチタ・ハウス/Dymaxion Dwelling Machineカンザス州ウィチタのBeech Aircraft工場で航空機転用生産。直径11.6mの円形吊り下げ式。回転式ドレッサー、霧状シャワー、ベンチレーション・タワー等を装備。プロトタイプ2棟のみ。1棟が現在ヘンリー・フォード博物館に常設展示。
First Geodesic Dome at Black Mountain College
最初のジオデシック・ドームノースカロライナ州のアヴァンギャルド大学Black Mountain Collegeでフラーが学生たちと建設した世界初のジオデシック・ドーム。同時期に学生ケネス・スネルソンが最初のテンセグリティ模型を製作。
Ford Rotunda Dome
フォード・ロタンダ・ドームミシガン州ディアボーンのフォード・モーター本社に建設された最初の商業用ジオデシック・ドーム。直径28m。
Geodesic Dome Patent (US 2,682,235)
ジオデシック・ドーム特許ジオデシック・ドームの基本特許。サイズが大きくなるほど構造強度が対数比で増大する性質を持つ唯一の建築形態として記述。
Tensegrity Patent (US 3,063,521)
テンサイル=インテグリティ構造テンセグリティ構造の基本特許。「圧縮材同士は接触せず、張力ネットワークだけで全体を統合する構造」を初めて知財として確立。後にバイオテンセグリティ研究の起点となる。
No More Secondhand God
『二次的な神はもういらない』詩と思想を融合させた著作集。Charles Eliot Norton詩学講座の任命と同時期に出版。フラーの神学的思考の到達点。
Expo 67 Biosphère, Montréal
モントリオール万博米国館モントリオール万博のアメリカ館として建設された世界最大級ジオデシック・ドーム。フラーの世界的名声を決定づけた。1976年に外装焼失するも構造体は現存し、「Biosphère環境博物館」として活用中。
Operating Manual for Spaceship Earth
宇宙船地球号操縦マニュアル環境思想史を書き換えた一冊。「この宇宙船には取扱説明書が付いてこなかった」という有名な一節。日本語訳は東野芳明訳でダイヤモンド社(1972)、後にちくま学芸文庫(2000)。
Utopia or Oblivion
ユートピアか忘却か「人類はあと25年で運命を決める」と警告した講演集。1990年代までに包括的設計科学による変革を達成しなければ「忘却」が訪れると予言。
I Seem to Be a Verb
『私は動詞であるらしい』ジェローム・アガル、クィンテン・フィオーレとの共著。マクルーハン的タイポグラフィ実験を駆使した革新的レイアウト。動詞的存在論を世界に提示。
Synergetics 1 & 2
シナジェティクス1・2シナジェティクス完成形。ベクトル平衡体、テトラヘドロン、Iソカヘドロンを基礎とする幾何学体系。日本語抄訳『コズモグラフィー:シナジェティクス原論』が梶川泰司訳で白揚社(2007)。
Critical Path
クリティカル・パス晩年の最重要著書。人類史を「Sun Power」「Wind Power」など物質エネルギーの転換史として再構成。1927年の啓示を改めて回想。
思想史的布置──源泉と影響
Where Bucky Stands in Intellectual Historyフラーは、誰から受け取ったのか。誰に手渡したのか。20世紀思想史におけるフラーの位置を、12の源泉と12の影響先によって立体的に描出する。
SOURCES — フラーへ流れ込んだ12の水脈
Where Bucky drew from- マーガレット・フラー(大叔母)超越主義運動の女性思想家、『The Dial』共同編集者。「自分自身であれ」という非順応の家系の精神を継承。
- ラルフ・ウォルドー・エマソンニューイングランド超越主義。「自己信頼」「自然」の思想がフラーの「自然原理に基づく設計科学」の起点。
- ヘンリー・デイヴィッド・ソロー『ウォールデン』のミニマリズム。「Less is more」の倫理がエフェメラリゼーションへ転化。
- レオナルド・ダ・ヴィンチマクルーハンが「我々の時代のレオナルド」とフラーを呼んだ通り、領域横断的知性の祖先像。
- アルフレッド・ノース・ホワイトヘッドプロセス哲学。「実体ではなく出来事」「動詞的存在」のフラー的展開の思想的基盤。
- アインシュタイン四次元時空の概念。1928年4Dタワー、1938年『Nine Chains to the Moon』でアインシュタインに直接献呈。
- マハトマ・ガンディー非暴力と「自己実験(Guinea Pig)」。フラーの「実験台B」の発想源の一つ。
- 米海軍の経験1917-19年。グローバル通信、複雑系、効率性、テクノロジーの実地教育。「ハーバードで学べなかった全てを学んだ」と回想。
- ヴァルター・バウアースフェルト1922年Zeiss Planetariumでフラーの28年前にジオデシック原理の屋根を建設。フラー特許の前史。
- 古代エジプト・ギリシア幾何学正二十面体、八面体、四面体──プラトン立体の系譜。シナジェティクスの幾何学的源泉。
- クエーカー教・ユニタリアン教祖父アーサー・バックミンスター・フラーはユニタリアン牧師。「Spaceship Earth」の倫理観・「全人類の生存」への信仰的衝動の根。
- 1927年の啓示そのものこれは外部からの源泉ではなく内部からの噴出。しかしフラー自身が「最大の教師」として死ぬまで参照し続けた。
INFLUENCED — フラーから流れ出た12の支流
Where Bucky flowed into- ノーマン・フォスターイギリスを代表する建築家。フラーの直弟子的影響。香港上海銀行、ミレニアム・ブリッジ、グレートコート(大英博物館)等にフラー的構造原理。
- ケネス・スネルソンBlack Mountain Collegeの学生時代に最初のテンセグリティ模型を製作。彫刻家として「Needle Tower」など世界中の主要美術館に作品。
- スチュアート・ブランド『Whole Earth Catalog』創刊(1968)。フラーのデザイン・サイエンスを文化に翻訳。「stay hungry, stay foolish」の出典。
- ハロルド・クロトー他1985年フラーレン(C60)発見、1996年ノーベル化学賞。「Buckminsterfullerene」と命名された分子の発見。
- ドナルド・イングバーハーバード医学校。テンセグリティを細胞骨格に応用しバイオテンセグリティを確立。現代の身体論を書き換える。
- スティーヴン・レビン整形外科医。テンセグリティを脊椎・関節・筋膜に応用、バイオテンセグリティ運動の中心人物。
- ジェイ・ボールドウィン『BuckyWorks』(1996)著者。フラー思想の最も実践的な解説者。
- ジェフ・ブリッジス俳優。2019年ゴールデン・グローブ賞授賞式でフラーへの献辞「私もトリムタブになりたい」と発言、世界に再普及。
- ニール・ドグラース・タイソン他NASA関連、宇宙生物学者、システム科学者。シナジェティクス幾何学が現代宇宙論に応用される。
- 磯崎新/川合健二磯崎新の建築設計の師である川合健二(エンジニア・コンサルタント)はフラーの「海からの思想」を独自に消化。丹下健三初期作品の設備機器を全米国製にした。
- 東野芳明・梶川泰司・木島安史・梅沢忠雄日本のフラー受容を担った翻訳家・建築家・思想家たち。
- 環境運動/グリーン建築/持続可能性思考全体20世紀後半のエコロジー思想は、その骨格をフラーから受け取った。「Spaceship Earth」概念抜きの環境思想は存在しない。
日本での受容──翻訳・来日・影響
Bucky Fuller in Japanフラーは複数回来日し、日本語訳書も多数刊行されている。だが日本受容の深層は、表層の翻訳点数を超えて、丹下健三・磯崎新・川合健二ら戦後日本建築の根を貫通している。
初来日
東京・大阪で講演。建築家・知識人層と接触。日本での受容の起点。同時期にDymaxion Mapが日本に紹介される。
『宇宙時代の新住宅 フーラー原理の秘密』
読売新聞社科学報道本部訳。日本初のフラー紹介書。読売新聞社刊。「フーラー」表記が当時の標準。
『宇宙船「地球」号 フラー人類の行方を語る』
東野芳明訳でダイヤモンド社から刊行。1968年の英語原書から4年後。日本における環境思想転換期の決定版翻訳。後にちくま学芸文庫(2000)として復刊。
川合健二と丹下健三
磯崎新の建築設計の師である川合健二(エネルギーコンサルタント)は、丹下健三初期作品の建築設備のパートナー。「フラーの最も独特な思考でもあった海からの思想」を独自に消化した。フラー的プラグマティズムを日本に持ち込んだ最重要人物。
『バックミンスター・フラーのダイマキシオンの世界』
ロバート・W. マークス共著。木島安史・梅沢忠雄共訳で鹿島出版会。日本の建築家自身による本格翻訳。学術的フラー受容の基礎。
『宇宙船地球号操縦マニュアル』『バックミンスター・フラーの宇宙学校』
1985年に東野芳明訳『宇宙船地球号操縦マニュアル』が西北社から刊行。1987年に金坂留美子訳『バックミンスター・フラーの宇宙学校』がめるくまーる社から。
マーティン・ポーリー著『バックミンスター・フラー』
渡辺武信・相田武文共訳の決定版伝記。CiNii Researchによれば日本国内91図書館に所蔵。日本のフラー研究の標準資料。
愛知県美術館 日本初の大規模回顧展
バックミンスター・フラー研究所の全面協力により、立体モデル・図面・ドローイング等の多様な資料で日本初の大規模回顧展を開催。読売新聞中部本社・チューリッヒ・デザイン美術館共催。
『コズモグラフィー:シナジェティクス原論』
梶川泰司訳で白揚社から刊行。フラーの最重要著作『Synergetics』の日本語抄訳。日本のシナジェティクス研究の決定版。
四谷東長寺P3 Alternative Museum「シナジェティック・サーカス」
地下のオルタナティブ・ミュージアムでフラーの直観と思想、行動や発明を、詳細な年譜やフラー自身の文章、豊富な図版で紹介。図録は今も古書市場で需要あり。
『a+u』8月号 フラー七原理特集
日本の代表的建築誌『a+u(Architecture and Urbanism)』が4D・ダイマクション・シナジェティクス・ジオデシック・テンセグリティ・デザイン・サイエンス・宇宙船地球号の7原理を特集。13特許と30作品を網羅。日本語による最新の包括的フラー紹介。
身体科学への展開──バイオテンセグリティ
ドナルド・イングバー、スティーヴン・レビン、トム・マイヤーズ(『アナトミー・トレイン』)らによるバイオテンセグリティ研究は日本のボディワーク・トレーニング・武道研究に深く浸透。フラーが工学で打ち出した原理が、身体・武道・養生の言語として日本で再展開している。
フラーの言葉
Twelve Words from Buckyフラーは「ダーク・スーツの牧師」と呼ばれた。著作・講演・インタビューで、彼は名詞を動詞に、抽象を具体に変換し続けた。生涯から12の言葉を選ぶ。
“I live on Earth at present, and I don’t know what I am. I am not a thing — a noun. I seem to be a verb, an evolutionary process — an integral function of the universe.”
私は今この地球で生きている。だが自分が何であるかは分からない。私はモノではない──名詞ではない。私は動詞であるらしい。進化のプロセスであり、宇宙の不可分な機能である。
— I Seem to Be a Verb (1970)
“You do not have the right to eliminate yourself. You do not belong to you. You belong to Universe.”
お前は自分自身を消去する権利を持たない。お前はお前に属していない。お前は宇宙に属している。
— 1927年ミシガン湖畔の啓示の回想
“Call me Trimtab.”
私をトリムタブと呼べ。
— Mount Auburn Cemeteryの墓碑銘/Playboy誌1972年2月号
“There is one outstandingly important fact regarding Spaceship Earth, and that is that no instruction book came with it.”
宇宙船地球号について際立って重要な事実は、この宇宙船には取扱説明書が付いてこなかったということだ。
— Operating Manual for Spaceship Earth (1968)
“Don’t fight forces, use them.”
力と戦うな。力を使え。
— Shelter magazine (1932)
“You never change things by fighting the existing reality. To change something, build a new model that makes the existing model obsolete.”
既存の現実と戦うことで物事は変わらない。何かを変えるには、既存のモデルを陳腐化させる新しいモデルを構築せよ。
— 講演で繰り返された格言
“Most of my advances were by mistake. You uncover what is when you get rid of what isn’t.”
私の進歩のほとんどは間違いによるものだった。何が無いかを取り除くとき、何が在るかが見えてくる。
— Synergetics Dictionary (1986)
“Faith is much better than belief. Belief is when someone else does the thinking.”
信仰は信念よりはるかに優れている。信念とは、他人に考えさせることだ。
— 講演とインタビューで繰り返し言及
“There is nothing in a caterpillar that tells you it’s going to be a butterfly.”
毛虫の中には、それが蝶になることを示すものは何もない。
— Synergetics (1975)
“The most important thing about Spaceship Earth — an instruction manual didn’t come with it. We have to figure it out as we go along.”
宇宙船地球号について最も重要なこと──取扱説明書が付いてこなかった。我々は行きながら考え出さねばならない。
— 晩年の講演から
“I just invent. Then I wait until man comes around to needing what I’ve invented.”
私はただ発明するだけだ。あとは人間が、私が発明したものを必要とするようになるのを待つ。
— 各種インタビュー
“I’m not a genius. I’m just a tremendous bundle of experience.”
私は天才ではない。膨大な経験の束に過ぎない。
— 自伝的発言/晩年の総括
フラーへの読書ルート──5段階
Five Levels of Reading Buckyフラーの著作群は難解さで知られる。シナジェティクスの幾何学定式や独自の造語、長大な文章は初学者を寄せ付けない。だが入口を選べば、誰もが読み解ける。難易度順に5段階で配置した。
『宇宙船地球号操縦マニュアル』東野芳明訳(ちくま学芸文庫)
200ページに満たない最短入口。1968年の世界的ベストセラーの日本語版。「この宇宙船には取扱説明書が付いてこなかった」「シノルジー(synergy)」「Comprehensive Anticipatory Design Science」など主要概念を平明に提示。フラーが何を考えていたかが二日で掴める。
マーティン・ポーリー『バックミンスター・フラー』渡辺武信・相田武文共訳
日本のフラー研究の標準伝記。生涯と思想を時系列に丁寧に追う。CiNii Research検索で日本国内91図書館所蔵。学位論文・研究論文を書く場合の必読基礎文献。
『a+u』2023年8月号「フラーの7つの原理」特集
4D・ダイマクション・シナジェティクス・ジオデシック・テンセグリティ・デザイン・サイエンス・宇宙船地球号の7原理を、13特許と30作品で網羅。フラーの建築・工学的側面を俯瞰したい人に最適。フラー自身の論考「ひとりの人間にできること」を併録。
梶川泰司訳『コズモグラフィー:シナジェティクス原論』白揚社
フラーの最重要著書『Synergetics: Explorations in the Geometry of Thinking』(1975)の日本語抄訳。1500ページの原書から核心を抽出。シナジェティクス幾何学・ベクトル平衡体・テンセグリティの数理的基礎を理解したい読者向け。日本のシナジェティクス研究の決定版。
『Synergetics 1』『Synergetics 2』『Critical Path』『Grunch of Giants』英語原書
フラー晩年の総決算四部作。Internet Archiveに無料アーカイブあり。Synergeticsは英文・幾何学・造語の三重の難解さがあるが、ここを読み切るとフラー宇宙論の中心に到達する。Critical Pathは1981年86歳の総括。Grunch of Giantsは1983年最後の著作で多国籍企業批判の遺書。
参考文献・公式資料・アーカイブ
References, Archives, and Online Sources学術的にフラーを参照する場合の一次資料・百科事典・公式アーカイブ・主要著作・日本語文献・学術論文・名言データベースを多層的に整理する。
百科事典
- Wikipedia(英語)”Buckminster Fuller”en.wikipedia.org/wiki/Buckminster_Fuller
- Wikipedia(日本語)「バックミンスター・フラー」ja.wikipedia.org/wiki/バックミンスター・フラー
- Encyclopædia Britannica “R. Buckminster Fuller”Robert W. Marks執筆。最後の更新は2026年3月10日。britannica.com/biography/R-Buckminster-Fuller
- Encyclopedia.com「Fuller, Richard Buckminster, Jr.」Gale Encyclopedia of U.S. Economic History収録。encyclopedia.com
- Whitney Museum of American Art “R. Buckminster Fuller”米国アート系正典。whitney.org/artists/11091
公式アーカイブ・研究機関
- Buckminster Fuller Institute1983年フラー死去年に設立された世界本部。bfi.org(公式バイオグラフィ・タイムライン・出版物索引)
- Stanford Libraries — R. Buckminster Fuller Collection270リニアフィートのDymaxion Chronofile、380時間の音声映像、1000以上のスケッチ、26フィートのFly’s Eye Domeを所蔵。library.stanford.edu
- BuckminsterFuller.net遺族によるアーカイブサイト。buckminsterfuller.net
- PBS — American Masters: Buckminster Fuller: Thinking Out Loud米国公共放送のドキュメンタリー。
主要英語著作(一次資料)
- Nine Chains to the Moon(1938) J.B. Lippincott
- No More Secondhand God(1962) Southern Illinois University Press
- Operating Manual for Spaceship Earth(1968) Southern Illinois University Press
- Utopia or Oblivion: The Prospects for Humanity(1969) Bantam Books
- I Seem to Be a Verb(1970) Bantam Books(J. Agel・Q. Fioreとの共著)
- Synergetics: Explorations in the Geometry of Thinking(1975) Macmillan(E.J. Applewhiteとの共著)
- Synergetics 2: Further Explorations(1979) Macmillan
- Critical Path(1981) St. Martin’s Press
- Grunch of Giants(1983) St. Martin’s Press
- Inventions: The Patented Works of R. Buckminster Fuller(1983) St. Martin’s Press
日本語訳書・関連書籍
- 『宇宙船「地球」号』東野芳明訳、ちくま学芸文庫、2000年
- 『コズモグラフィー:シナジェティクス原論』梶川泰司訳、白揚社、2007年
- 『バックミンスター・フラーのダイマキシオンの世界』R.W.マークス著、木島安史・梅沢忠雄共訳、鹿島出版会、1978年
- 『バックミンスター・フラー』マーティン・ポーリー著、渡辺武信・相田武文共訳。CiNii Research検索:cir.nii.ac.jp
- 『バックミンスター・フラーの宇宙学校』金坂留美子訳、めるくまーる社、1987年
- 『バックミンスター・フラーの世界 21世紀エコロジー・デザインへの先駆』ジェイ・ボールドウィン著、梶川泰司訳、美術出版社、2001年
- 『a+u』2023年8月号 特集:バックミンスター・フラーの7つの原理au-magazine.com
学術論文・記事
- Stanford Magazine “I seem to be a verb…”スタンフォード大学による収蔵記録特集記事。stanfordmag.org
- Nature Vol.318, 14 Nov 1985 “C60: Buckminsterfullerene”Kroto et al.によるフラーレン発見論文。nature.com/articles/318162a0
- Donald Ingber “Tensegrity-based mechanosensing”細胞レベルのバイオテンセグリティ理論の標準論文群。Harvard Medical School。
- Stephen Levin “Biotensegrity”バイオテンセグリティ運動の中核論文。biotensegrity.com
- 愛知県美術館「バックミンスター・フラー展」展覧会記録。www-art.aac.pref.aichi.jp
名言・引用源データベース
- Wikiquote “Buckminster Fuller”出典付きの最大級の英語名言データベース。en.wikiquote.org/wiki/Buckminster_Fuller
- Synergetics Dictionary: The Mind of Buckminster Fuller(1986) E.J. Applewhite編。フラー思想の事典。
- Quoternity「Buckminster Fuller Quotations」quoternity.com
- Working Minds「R. Buckminster Fuller [1895-1983]」working-minds.com
映像・ドキュメンタリー
- The World of Buckminster Fuller(1971) Robert Snyder監督
- Buckminster Fuller: Thinking Out Loud(1996) PBS American Masters
- The Love Song of R. Buckminster Fuller(2012) Sam Green監督・Yo La Tengo音楽による「ライブ・ドキュメンタリー」
- Internet Archive Audio Archiveフラー本人の講演音声・映像が大量に無料公開。archive.org
展覧会・建造物(現存)
- Biosphère, Montréal1967年Expo米国館。現環境博物館。
- Henry Ford Museum (Dearborn)Wichita Houseプロトタイプを常設展示。
- Bucky Dome Home (Carbondale, IL)SIU時代のフラー自宅ジオデシック・ドーム。保存プロジェクト進行中。
- Spaceship Earth at EPCOT (Walt Disney World)フラー命名の概念名を冠したジオデシック球体構造の代表的施設。
- Mount Auburn Cemetery (Cambridge, MA)フラー夫妻の墓。「Call me Trimtab」の墓碑銘。
よくある質問
Frequently Asked Questionsフラーの生涯・思想・発明について、実際に問われることの多い12の質問に答える。Schema.org FAQPageに連動済み。
バックミンスター・フラーの独自理論を網羅クリック展開
15項目の核心概念を、各カードクリックで詳細展開できます。
一次資料(原著・主要論文)への参照リンク完備。
バックミンスター・フラー 一次資料・国際的研究リソース集
Wikipedia・Britannica・公式財団・大学アーカイブ・Internet Archive・CiNii・J-STAGE・PhilPapers・WorldCat等の国内外の権威リソース20件を集約。
📚 GETTA Thinkers Encyclopedia ─ 思想図鑑シリーズ全16巻
同時代を生きた思想家たちが、いかに〈身体〉〈学び〉〈文化〉〈遊び〉を再定義したか──各図鑑は独立しつつ相互に照らし合う。
文化資本/ハビトゥス/界No.02 アンリ・ベルクソン
純粋持続/生命の躍動No.03 マルセル・モース
贈与論/身体技法No.04 メルロ=ポンティ
身体図式/知覚の現象学No.05 大森荘蔵
立ち現われ一元論/重ね描きNo.06 ジル・ドゥルーズ
差異と反復/器官なき身体No.07 イサドラ・ダンカン
鳩尾/自由な舞踊No.08 イヴァン・イリイチ
脱学校/コンヴィヴィアリティNo.09 ジャン・ピアジェ
発生的認識論/4段階No.10 エリク・H・エリクソン
アイデンティティ/8段階No.11 ロジェ・カイヨワ
遊びの四類型/対角線の科学No.12 市川浩
〈身〉/錯綜体/身分けNo.13 バックミンスター・フラー
宇宙船地球号/テンセグリティNo.14 マーサ・グラハム
コントラクション/181作No.15 ルース・セント・デニス
デニショーン/神聖舞踊No.16 西田幾多郎
純粋経験/場所の論理/絶対無
本シリーズが共有する一つの問い
〈身体〉が、文化が、学びが、遊びが、近代の枠組みのなかでどのように分節され、どこで歪められ、いかに再び動詞化されうるのか。
GETTA Thinkers Encyclopedia は、この一つの問いを16の星座から照らす編集方針で構成されています。
文化身体論研究者
いま、あなたが必要なのはどの一足か?
歩行のクセを解くプロセスは、3段階で進む。
あなたの今いる段階に合うモデルから始めてください。


