アスレティックトレーナー【図鑑】完全ガイド|JSPO-AT・NATA-BOC・NSCA-CSCS・年収・世界比較まで網羅|スポーツ仕事図鑑VOL.07|GETTA

SPORTS JOBS ENCYCLOPEDIA — VOL.07

アスレティックトレーナー【図鑑】完全ガイドATHLETIC TRAINER — AT

アスレティックトレーナー(AT・Athletic Trainer)は、「スポーツ外傷の予防・救急処置・コンディショニング・リコンディショニング」を業とする専門職である。日本では公益財団法人 日本スポーツ協会公認のJSPO-ATが中核資格、世界的には米国NATA-BOC・NSCA-CSCSが標準。複数資格制度の全体像を、法的位置・教育課程・キャリア・国際比較から網羅する。

編纂・合同会社GETTAプランニング監修・宮崎要輔VOL.07 / アスレティックト2026年5月12日 初版

アスレティックトレーナーは、医療と競技の境界線上で働く独自の職能である。日本では国家資格ではなく、複数の認定制度が並立している。中核は1992年制定の日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT, 旧JASA-AT)。米国では1950年設立のNATA(National Athletic Trainers’ Association)が認定するBOC(Board of Certification)がゴールドスタンダードである。さらにストレングス&コンディショニング領域では、NSCA-CSCS(Certified Strength and Conditioning Specialist)が世界80カ国以上で活用される。本図鑑は、これら複数資格の差異・関係・到達点を、日本語圏で最も体系的に整理することを目的とする。

01CHAPTER 01

序章 / アスレティックトレーナーという存在The Athletic Trainer at Medicine-Sport Boundary

選手が試合中に倒れた瞬間、最初に駆け寄るのは誰か。多くの場合、それは医師ではなくアスレティックトレーナー(AT)である。脳震盪の判定、頚椎損傷の判別、応急処置、搬送判断──スポーツ現場での「最初の医療従事者(First Medical Responder)」として、ATは選手の生命と競技人生を守る砦である。

ATの仕事は、試合中の救護だけではない。①予防(メディカルチェック・テーピング・コンディショニング指導)、②救急処置(外傷の応急処置・搬送判断)、③リコンディショニング(受傷後の競技復帰プログラム)、④パフォーマンス向上(栄養・トレーニング・メンタル支援の連携)の四領域を統合する職能である。

本章では、ATの存在論的位置──医療と競技、治療とパフォーマンス、安全と挑戦の境界線上で、両側に橋を架ける職能──を明らかにする。

02CHAPTER 02

日本のAT制度 / JSPO-ATThe JSPO-AT System in Japan

日本の中核AT資格は公益財団法人 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)である。1992年に「日本体育協会公認アスレティックトレーナー(JASA-AT)」として創設され、2018年の日本体育協会から日本スポーツ協会への名称変更に伴い、現在の名称となった。

JSPO-ATの認定要件は、①日本スポーツ協会公認スポーツ指導者検定試験合格、②専門科目(運動生理学・スポーツ栄養・スポーツ心理学・スポーツバイオメカニクス・スポーツ外科学・救急処置等)の合格、③インターン実習(180時間)の修了、である。

養成課程は二つのルートがある。①日本スポーツ協会公認指定校(大学・専門学校)で必修科目を履修するルート、②日本スポーツ協会主催の養成講習会(基本科目・専門科目)を受講するルート。2025年時点でJSPO-AT有資格者は約4,800名。プロスポーツ・実業団・大学運動部・高校運動部の現場で活躍している。

認定機関
公益財団法人 日本スポーツ協会 (JSPO)
認定数
約4,800名(2025年時点)
業務範囲
予防・救急処置・リコンディショニング
更新
4年ごと(更新研修必須)
03CHAPTER 03

米国のAT制度 / NATA-BOCThe NATA-BOC System in the U.S.

NATA(National Athletic Trainers’ Association)は1950年設立の、世界最大のAT職能団体。米国のAT認定はBOC(Board of Certification)が実施する。米国では1990年代以降、ATは医療職として法的に位置づけられ、46州で州免許制が確立している。

NATA-BOC(ATC, Athletic Trainer Certified)の認定要件は、①CAATE(Commission on Accreditation of Athletic Training Education)認定の修士課程修了(2022年から修士課程必須化)、②BOC国家試験合格、である。学士課程からの取得制度は2022年に廃止された。

米国ATの年収中央値は約57,000ドル(2023年BLS統計)。プロスポーツ(NFL・NBA・MLB・NHL等)所属のATは年収100,000〜250,000ドル超も珍しくない。米国のスポーツ医学体系(Athletic Medicine)の中核を担う、医療職として法的に確立された職能である。

04CHAPTER 04

NSCA-CSCS / ストレングス領域NSCA-CSCS — Strength & Conditioning

NSCA(National Strength and Conditioning Association)は1978年に米国で設立された、ストレングス&コンディショニング(S&C)専門の職能団体。NSCAは複数の認定資格を発行する。

NSCA-CSCS(Certified Strength and Conditioning Specialist)は、世界80カ国以上で活用されるS&Cのゴールドスタンダード。認定要件は、①学士課程修了(または進学中)、②CPR/AED資格、③NSCA-CSCS試験合格。試験は科学的基礎(運動生理・解剖・バイオメカニクス・栄養)と実践(プログラムデザイン・テクニーク)の2部構成。

NSCA-CPT(Certified Personal Trainer)はパーソナルトレーナー向けの認定資格で、CSCSより取得しやすい設定。両者ともに国際的に通用するため、日本のフィットネス業界・スポーツ業界でも広く取得されている。日本支部(NSCAジャパン)の会員は約7,000名(2024年)。

JSPO-AT と NSCA-CSCS の関係は補完的である。JSPO-ATは「予防・救急処置・リコンディショニング」を中核とし、CSCSは「パフォーマンス向上のためのプログラム作成」を中核とする。両者の併用でフルスコープのAT+S&Cが実現する。

05CHAPTER 05

JATAC-ATC / 民間第三のATJATAC-ATC — The Third Path

日本健康・スポーツ連盟認定アスレティックトレーナー(JATAC-ATC, Japan Athletic Training Conditioning Association Athletic Trainer Certified)は、JSPO-ATと並ぶもう一つの主要AT認定資格。1989年に設立されたJATACは、ATCのみならず、メディカルアスレティックトレーナー、コンディショニングコーチ、ジュニアアスレティックトレーナー等の複数認定を有する。

JATAC-ATCの認定要件は、①JATAC指定の養成講習会修了(または同等カリキュラムの大学・専門学校卒)、②認定試験合格。JSPO-ATと比較して取得難易度がやや低いとされ、現場経験を積みながら取得を目指すルートに適している。

JATAC会員数は約4,000名(2024年)。柔道整復師・はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師等とのダブル・トリプルライセンス保有者が多く、独立開業者・スポーツクラブ所属者の活躍が目立つ。

06CHAPTER 06

AT各資格の比較表The Comparison Matrix

日本国内で活動可能なAT関連資格は、上記4資格を中心に複数並立している。それぞれの位置を理解することは、AT志望者・スポーツ団体・医療機関にとって重要である。

JSPO-ATは日本独自・日本スポーツ協会公認・現場経験重視。プロスポーツチーム・五輪選手村のATスタッフはほぼ全員JSPO-AT保有。NATA-BOCは米国基準・医療職として法的位置付け・大学院修士必須・国際的ゴールドスタンダード。

NSCA-CSCSはS&C領域の国際標準・80カ国で通用・パフォーマンス向上の専門性。JATAC-ATCは日本民間認定・取得しやすい・現場実践重視・他資格との組み合わせに強み。

実務上は、「JSPO-AT+NSCA-CSCS」がトップクラスの現場でのスタンダードな組み合わせとなりつつある。これに加えて柔道整復師・PT国家資格を併せ持つ「四刀流」も増えている。

JSPO-AT
日本協会公認・約4,800名・現場重視
NATA-BOC
米国国家標準・修士必須・医療職
NSCA-CSCS
S&C国際標準・80カ国通用
JATAC-ATC
日本民間・約4,000名・併用強み
07CHAPTER 07

歴史 / 古代ギリシアから現代AT制度までFrom Ancient Greece to Modern AT

ATの歴史的源流は古代ギリシアの「パイドトリベス(paidotribes)」──体育施設で選手の身体管理・コンディショニング・外傷処置を担当した専門職にある。古代オリンピック競技でこの役割は重要視されていた。

近代AT制度の起点は1879年、米国ハーバード大学での専属トレーナー雇用。続いて20世紀初頭の大学スポーツ拡大に伴い、各大学がトレーナーを配置していった。1950年、NATAが設立され、ATの職能化が始まった。1990年、米国医師会(AMA)がATを医療関連職として正式に認定。

日本では1980年代から大学運動部・実業団が独自にトレーナーを雇用し始めた。1992年、日本体育協会がJASA-ATを創設し、国内のAT制度が公式に確立した。プロ野球・Jリーグ・大相撲・五輪選手村等での雇用が進み、現在の体制に至る。

08CHAPTER 08

仕事内容 / 四つのフェーズThe Four Phases of AT Practice

ATの仕事は、競技参加サイクルの四つのフェーズで構成される。①予防フェーズ:メディカルチェック(既往歴・体力測定)、テーピング・サポーター指導、ウォームアップ・クールダウン設計、用具・環境管理、コンディショニング指導。

②救急処置フェーズ:競技中の外傷発生時の応急処置(PRICEまたはPOLICE処置)、頭頚部外傷・脳震盪の判定、心肺停止対応、搬送判断、救急隊・医師との連携。米国では脳震盪管理プロトコル(CDCのHEADS UP)が体系化されている。

③リコンディショニングフェーズ:受傷直後から競技復帰までの段階的トレーニング設計、医師・PT・栄養士との連携、メンタルケア、Return to Play判定。④パフォーマンス向上フェーズ:S&Cプログラム連携、栄養・水分補給管理、睡眠・回復管理、メンタルパフォーマンス支援。

09CHAPTER 09

給与とキャリアパスCompensation & Career Trajectories

日本のATの平均年収は約400〜600万円(雇用先による差が大きい)。プロスポーツ専属ATは600〜1,500万円超、実業団・大学運動部所属は400〜700万円、フィットネスクラブ・整骨院併設は300〜500万円が一般的レンジ。

キャリアパスは多様化している。①プロスポーツチーム専属、②実業団・大学・高校運動部所属、③整形外科・スポーツクリニック所属、④フィットネスクラブ・パーソナルトレーニングジム、⑤独立(フリーランスAT・パーソナルジム経営)、⑥ナショナルチーム・五輪選手村スタッフ、⑦海外(米国MLB・MLS・大学スポーツ等)、⑧研究・教育(大学・専門学校教員)。

近年のトレンドは、「現場AT+アカデミックAT」のハイブリッド化。研究実績を持つATが大学院修士・博士課程を修了し、エビデンスベースの臨床と教育・研究を統合的に展開する形態が増えている。

10CHAPTER 10

スポーツ現場での連携Collaboration on the Field

スポーツ現場でのAT業務は、多職種連携を前提に成り立つ。①チームドクター(整形外科・スポーツ医学専門医)との診療連携、②PTとのリハビリ連携、③柔道整復師との外傷ケア連携、④鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師とのコンディショニング連携、⑤栄養士との栄養管理連携、⑥S&Cコーチ・パーソナルトレーナーとのプログラム連携、⑦監督・コーチ・選手との戦術・コンディション情報共有。

とくにプロ・トップアマチュア現場では、「メディカルチーム」がチームの中核を成す。医師・AT・PT・柔整師・鍼灸師・栄養士・心理士が定期会議を開き、選手個別のコンディション情報を共有する体制が整っている。

ATは、これら多職種の「ハブ」として機能することが多い。現場での即時判断、医療職と監督・コーチ間の情報翻訳、選手のメンタル支援──これらをカバーする存在として、AT不在のチームは現代スポーツでは想定しがたい。

11CHAPTER 11

世界のAT制度 / 国際比較International AT Systems

ATは世界各国で異なる制度設計を持つ。米国:NATA-BOC(46州で州免許制・修士課程必須)、約58,000人の有資格者。カナダ:CATA-CAT(Canadian Athletic Therapists Association)、約4,800人。豪州:ASCA(Australian Strength and Conditioning Association)認定資格+ESSA(運動生理士)。

欧州:英国BASES(British Association of Sport and Exercise Sciences)認定・独国DOSB(Deutscher Olympischer Sportbund)認定・仏国DESS(Diplôme d’Études Supérieures Spécialisées)等。EuropeActive・EHFA等のEU共通認定枠組も発展。

アジア:日本JSPO-AT・JATAC-ATC、韓国KCRT認定、中国国家体育総局認定、シンガポール SSS認定等。アジアのAT制度は急速に発展中で、国際資格相互認証の動きも始まっている。WFATT(World Federation of Athletic Training and Therapy)が国際的な調整を担う。

12CHAPTER 12

主要文献・参考リンク総覧The Master Reference Hub

AT関連の各認定団体・学会・主要文献を整理する。

13CHAPTER 13

GETTAとアスレティックトレーナーの協働領域GETTA × AT Synergies

アスレティックトレーナーは、競技参加サイクルの全フェーズ(予防・救急処置・リコンディショニング・パフォーマンス向上)で選手と関わる職能である。GETTAは、その全フェーズで動作再学習装置として機能し、ATの専門性を増幅する補助線として現場活用が拡大している。

SYNERGY

傷害予防コンディショニング

シーズン前のメディカルチェック・コンディショニング段階で、GETTAを用いた前庭・小脳・大腰筋の活性化メニューを組み込む。動作の質の底上げが傷害発生率を低減する。

SYNERGY

足関節捻挫リハビリ

内反捻挫の慢性化(CAI: Chronic Ankle Instability)対策に、GETTAの不安定面が固有感覚を再活性化する。Return to Play判定の補助材料としても活用される。

SYNERGY

ハムストリングス肉離れ

二関節筋協調性の再学習に、GETTAの一点支持が極めて有効。スプリント系競技のATが復帰プログラムに組み込む事例が増加。

SYNERGY

動作再学習

ACL再建術後・腰部障害後の動作再学習で、GETTAの一点支持が二関節筋協調・コア活性化を促進する。受傷後の再発予防の核心。

SYNERGY

S&Cプログラム統合

ストレングス&コンディショニングのウォームアップ・ベース構築段階に、GETTAエクササイズを組み込む。多くのプロチームのS&Cコーチが導入。

SYNERGY

競技現場ツール

遠征・キャンプ・合宿でも持参可能な軽量装置として、GETTAは現場ATのコンディショニングツールキットの定番アイテムになりつつある。

「現代スポーツ医科学の最前線」と、「身体文化の伝統」──両者の境界線でATは働く。GETTAは、その境界線で起こる動作再学習を促す装置として、エビデンスベースの実装と文化的継承の架橋を実現する。

14CHAPTER 14

関連ページ・FAQInternal Hub & FAQ

JSPO-ATとJATAC-ATCどちらを取るべきですか?
プロスポーツ・五輪選手村・実業団・大学一般運動部での就職を目指すならJSPO-AT必須。整骨院併設・パーソナルジム・フリーランス活動を目指すならJATAC-ATC+柔道整復師のような複合ライセンスが有効。両方取得する者も増えている。
ATは国家資格ですか?
日本ではATは国家資格ではない。米国ではATは医療職として法的位置付けがあり、46州で州免許制。日本国内ではJSPO-AT・JATAC-ATCともに民間認定資格だが、スポーツ業界では実質的標準資格として確立している。
ATとNSCA-CSCSの違いは?
ATは「予防・救急処置・リコンディショニング」を中核とし、CSCSは「ストレングス&コンディショニング(パフォーマンス向上)」を中核とする。両者は補完関係にあり、トップ現場のATは両方を保有する傾向が強い。
ATになるには大学に行くべきですか、専門学校でいいですか?
JSPO-AT認定指定校(大学・専門学校)はそれぞれメリットがある。プロスポーツ・五輪選手村・大学運動部等のトップ現場を目指すなら、4年制大学(できれば大学院修士)が推奨される。整骨院併設・地域スポーツクラブを目指すなら、専門学校+柔道整復師資格のような実践重視ルートも有効。
海外でATとして働けますか?
米国ではNATA-BOC取得(CAATE認定修士課程修了+BOC試験合格)が必須。日本のJSPO-ATは原則として直接認定されない。米国MLB・MLS等の日本人選手担当として日本国籍ATが帯同する例もあるが、現地での独立就業はBOC取得が必要。
ATの将来性は?
健康日本21・スポーツ振興基本計画・健康経営の拡大とともに、AT需要は拡大基調。とくに「アマチュアスポーツ+一般人向け」の領域で、傷害予防・健康増進・コンディショニングのプロフェッショナルとしての職域が広がる。AI時代でも、「現場での即時判断と人間関係構築」を核とするAT職能は代替が困難である。

アスレティックトレーナー【図鑑】完全ガイド

本ページは、アスレティックトレという職能の制度・歴史・教育・実務・専門制度・経済・国際性・主要文献を統合した、日本語圏最大級のハブとして編纂されています。掲載の理論・知見は、宮崎要輔(合同会社GETTAプランニング代表)が二十年以上にわたって蓄積したアスリート指導現場の経験と、最新エビデンスと文化身体論を架橋する独自体系の一部です。


編集・著作 / 合同会社 GETTA プランニング

監修 / 宮崎要輔(文化身体論研究者・アスリート指導者)

FOR THE NEXT GENERATION — 高校生・大学生・社会人5年目以内へ

アスレティックトレーナーを目指すあなたへ ── 世代別キャリアロードマップ

アスレティックトレーナーという職能を選ぶことは、15年〜30年の長期キャリアを選ぶことに等しい。本セクションでは、高校生・大学生・社会人5年目以内の3つの世代それぞれに向けて、現場の最前線で活躍する者たちが選んできた「失敗しない選択」を体系化する。合同会社GETTAプランニング代表・宮崎要輔が20年以上のアスリート指導現場と全国の医療職・指導者ネットワークから得た知見を統合した、アスレティックトレーナーを目指す全世代向けの実装ガイドである。

高校生編進路選択の3つの決断

アスレティックトレーナーになるための分岐点は、ほとんどが高校時代に決まる。文系/理系の選択、志望校、学費の見積もり──この3つを高3夏までに固められるかが、長期キャリアの土台になる。

文理選択と必要な高校科目
理系(生物・体育)強く推奨。プロスポーツ・五輪を目指すならスポーツ経験は必須ではないが理解には有用
養成校の3つのルート
4年制大学体育・スポーツ系学部
JSPO公認指定校、全国約40校
3年制または4年制専門学校
JSPO公認指定校、全国約30校
修士課程
米国NATA-BOC取得用または日本での研究志向
学費の目安(在学期間中の総額)
4年制大学:500〜800万円/3年制専門学校:400〜600万円/米国大学院修士:500〜1,200万円
奨学金・学費支援制度
JASSO、大学独自スポーツ奨学金、スポーツチーム関連奨学金(プロチーム子会社等)、米国大学院は奨学金が豊富
高1〜高3の年次別行動指針
高1:プロチーム・実業団のトレーナー帯同見学。高2:JSPO指定校オープンキャンパス。高3:受験対策+柔整・PT併用ルートも検討
推奨大学・専門学校(編集部選定)
4年制:早稲田大学スポーツ科学部、筑波大学体育専門学群、日本体育大学、東京有明医療大学、近畿大学/専門:東京メディカルスポーツ専門学校、神奈川衛生学園、JAPAN国際カレッジ/米国:UCLA・USC・University of Florida
なぜこの仕事を選ぶのか ── キャリアの本質
「選手の生命と競技人生の最終ラインで守る」職能。JSPO-AT/NATA-BOC/NSCA-CSCSのトリプルライセンスで世界水準のキャリア構築可能

大学生編学年別アクションと国試突破戦略

在学中にやれることは無限にある。しかし「やるべきこと」は限られている。アスレティックトレーナーを目指す大学・専門学校在学者向けに、学年ごとの最適行動を体系化する。

1年次 / FOUNDATION
運動生理学・スポーツ解剖学・スポーツバイオメカニクスの基礎
2年次 / EXPANSION
スポーツ外科学・救急処置・テーピング・コンディショニング理論
3年次 / PRACTICE
JSPO-AT専門科目(180時間インターン)開始。NSCA-CSCSの学習併用
4年次 / EXAM & LAUNCH
JSPO-AT認定試験+NSCA-CSCS試験+就職活動。プロチーム・実業団・大学運動部への内定獲得
国家試験突破の戦略
JSPO-AT合格率約20%(最難関級)、NSCA-CSCS合格率約60%。インターン実績が試験合格+就職両方の決め手
専門・領域選択の道筋
プロチーム所属/五輪選手村/実業団/大学運動部/高校運動部/スポーツクリニック/パーソナルジム経営/米国NATA-BOCの8方向
グローバルキャリアの選択肢
米国NATA-BOC取得(CAATE認定修士課程修了+BOC試験合格)でMLB・MLS・NFL・NBA帯同の道。年収100,000〜250,000ドル超
アスレティックトレーナーの典型的な1日のスケジュール(実務イメージ)
シーズン中:8:00練習前テーピング→10:00練習帯同(応急処置・水分管理)→13:00昼休憩→14:00トレーニングサポート→17:00練習後ケア・施術→19:00記録→20:00退勤。試合日は早朝から夜まで

社会人5年編キャリア分岐の判断

資格を取得して現場に出てから5年──この期間こそが、長期キャリアの方向性を決める最重要フェーズ。専門深化・転職・独立・副業のいずれの道を選ぶか、現実的な選択肢を体系化する。

1〜2年目 / 基礎固め期
実業団・大学運動部・整骨院併設で経験を蓄積。プロチーム志望者は下部組織・育成チームから。月給22〜32万円
3〜4年目 / 専門深化期
プロチーム専属または高ランクの実業団・大学運動部へ。NSCA-CSCS取得・米国大学院留学も。年収450〜700万円
5年目 / 分岐の判断
プロチーム専属・五輪選手村スタッフ。または独立して自費パーソナル+スポーツチーム複数契約。年収600〜1,200万円超
転職市場のリアル
プロチーム間移籍、五輪選手村スタッフへの抜擢、整骨院併設からパーソナルジム経営への展開
副業・複線キャリアの選択肢
個人パーソナル契約、スポーツ施設アドバイザー、執筆・YouTube・教材販売、研修講師
独立・開業のリアル
5年目以降独立可。パーソナルジム経営、スポーツチーム契約フリーランス、米国NATA-BOC取得で海外開業
ロールモデル ── 第一線で活躍する3名のキャリア
土橋恵秀氏(元日本代表トレーナー)
サッカー日本代表のフィジカルコーチを長年務める
広瀬統一氏(早稲田大学・なでしこジャパン)
女子サッカー日本代表のメディカルチーフ
佐保豊氏(NSCAジャパン)
S&C領域の日本での第一人者