掌側骨間筋
掌側骨間筋の解剖学的位置

掌側骨間筋の神経-筋-腱-骨スキーマ
起始から停止への張力線、神経入力、運動出力を進化思考3色で可視化。シアン=感覚入力、オレンジ=協調制御、パープル=統合・進化。
SENSORY 神経入力
尺骨神経深枝 (C8, T1)
COORDINATION 筋腱
起始:第2・4・5中手骨の対向面(単頭)
停止:第2・4・5指基節骨基部および指背腱膜
INTEGRATION 運動出力
第2・4・5指の内転(PAD:Palmar ADduct)
掌側骨間筋とは
掌側骨間筋は3筋(PAD ×3)で構成され、第2・4・5指の内転を担当します(第3指は中央のため内転筋不要)。各筋は単頭で起始し、背側骨間筋(DAB)の拮抗ペアを形成。記憶語呂「PAD(Palmar ADduct)」。
日常生活では指を閉じる動作、紙片を指で挟む動作、ボールを保持する際の指の集合動作で動員。背側骨間筋との拮抗的協調により、指の精密な側方制御を実現します。Card test陽性で麻痺確認。
臨床的には尺骨神経麻痺でDABとともに侵される。Claw hand(鷲手変形)の構成要素として骨間筋全体の萎縮が臨床的に重要。GETTAでは指の精密制御訓練で動員。
解剖学的基本データ
触診法
関連競技動作
- 柔道・道着の引き締め(指の集合)
- バスケットボール・ボールを片手で保持
- クライミング・small holdへの指集中
- 楽器演奏での指の閉じ
- 書字での指の集中
臨床的意義
鍛えるな、育てよ。
掌側骨間筋は GETTAで「育つ」。
掌側骨間筋・国家試験形式クイズ
鍼灸師 / 理学療法士 / アスレティックトレーナー 各5問
3職種の国家試験・認定試験頻出パターンに準拠した実践問題。クリックで即時採点+詳細解説。
OFFICIAL LINEブログには書ききれない一次情報を、公式LINEで直接お届け。実践トレーニング / 体験会・講習会の先行案内 / 身体と神経の研究アップデート友だち追加(無料)関連筋
FROM ANATOMY TO INTERVENTION ── 解剖を、明日のセッションへ
掌側骨間筋は、揺れの中で本来の役割に戻る。
起始・停止・神経支配の次は、実際に働く環境。
評価と再教育を同時に行う最小の不安定面。
掌側骨間筋の深部機能解剖学
アナトミートレイン(属する筋膜連結線)
属する線:Hand intrinsic system — 手内筋システム
線内での役割:中手骨間の深層筋(掌側)として、第2・4・5指の内転を担当。PAD(Palmar ADduct)の語呂。
機能的意味:手内筋システムの「Finger adductor + intrinsic plus」。指の集合動作の主役。
筋膜連結(連動する組織)
- 背側骨間筋: 拮抗ペア(DAB vs PAD)
- 虫様筋: intrinsic plus共同
- 母指内転筋: 指内転で機能類似
- 尺骨神経深枝: 共通支配
キネティックチェーン(運動連鎖機能)
Open Kinetic Chain(OKC):OKCで指内転動作(指を閉じる)、紙片保持、ボール片手保持で動員。
Closed Kinetic Chain(CKC):CKCで指接触面での内転位維持。
上肢機能における役割:Upper Quarterで「Finger closer」。
パワー伝達:中手骨対向面→PAD→基節骨基部+指背腱膜という線で、内転・intrinsic plus双方向力を伝達。
二関節筋協調制御
関与関節:MP関節, PIP関節, DIP関節
Lombard’s Paradox応用:多関節作用:MP内転と同時にIP伸展。
協調メカニズム:虫様筋とのintrinsic plus共同、背側骨間筋(DAB)との内転-外転拮抗。
拮抗ペア:背側骨間筋(DAB)
筋の協調(Synergy & Force Couple)
共同筋(Synergists)
- 背側骨間筋: intrinsic plus共同(外転-内転は拮抗)
- 虫様筋: intrinsic plus共同
- 指伸筋: IP伸展協働
- 母指内転筋: 指集合の機能類似
拮抗筋(Antagonists)
- 背側骨間筋: 拮抗ペア
- 小指外転筋: 第5指外転で拮抗
フォースカップル
PAD+DAB = 「Finger lateral control couple」。PAD+虫様筋 = 「Intrinsic plus closing complex」。
AT/PT 国家試験対策・臨床学習
頻出キーワード
臨床評価テスト
- Card test — 紙片を指間に挟ませて引き抜く
- Finger adduction strength — 指を集める動作の抵抗
- Hand closing test — 全指の集合動作
機能不全パターン
尺骨神経麻痺で背側骨間筋とともに侵される。Card test陽性、claw hand所見の構成要素。
リハビリテーション戦略
骨間筋強化(PAD/DAB両者)、Card pinching、theraputty resistance。
Clinical Pearls(臨床的真珠)
- PAD(Palmar ADduct)の語呂で記憶
- Card testはDAB/PAD両者の機能評価
- 指の集合動作の評価=PAD機能評価
エビデンスベース(主要文献)
- Brand PW 1985: 骨間筋の生体力学的解析
- Long C et al. 1970: 骨間筋の筋電図解析
筋膜的連結・固有受容覚的役割
筋膜的連結:掌側骨間筋筋膜は第2・4・5中手骨対向面から基節骨基部+指背腱膜に連続。
固有受容覚的役割:指の側方内転位置覚に重要。
EIGHT PILLARS / 思想体系の入口
getta.jp の8本の柱へ
この図鑑は孤立した教材ではない。「鍛えるな育てよ」「転移する文化資本」「中動態の身体」——一本歯下駄GETTAを支える思想体系の8本の柱へ、ここから直接到達できる。
思想全体像
転移する文化資本
文化資本理論完全解説
総合案内
一本歯下駄完全ガイド
トレーニング体系
宮崎要輔
GETTAコンセプト
CHOOSE YOUR FIRST STEP
3つのモデルから、最初の一歩を選ぶ
GETTA / TOTONOE / REDEZA。あなたの身体性と目的に応じて、最適な一本歯下駄を選んでください。
Palmar interossei ・ DEEP REFERENCE
掌側骨間筋とは — 定義と要点
掌側骨間筋(しょうそくこっかんきん、Palmar interossei)とは、手掌側で中手骨間に位置し、指を中指軸へ引き寄せる内転を主な働きとする手の内在筋である。単羽状(unipennate)の小さな筋で、母指側の第1筋を含めて4つ(第1筋は退化的なことがあり古典的には3つと記載される)として数えられ、いずれも尺骨神経深枝の支配を受ける。中手指節関節(MP)の屈曲と指節間関節(IP)の伸展にも関与し、把握と精密動作を支える筋である。
よくある質問(FAQ)
掌側骨間筋の起始と停止はどこですか。
古典的な3筋モデルでは、第2中手骨の尺側面ならびに第4・第5中手骨の橈側面から起こります。停止は対応する第2・第4・第5指の基節骨基部および指背腱膜(伸筋腱膜)で、中指側へ向かって付着します。なお第1中手骨側に退化的な第1筋を加える4筋説もあります。
掌側骨間筋は3つですか、それとも4つですか。
古典的には第2・第4・第5指に付く3つと教えられますが、KenhubやStatPearlsなどの権威的典拠は母指側の第1筋を含めて4つ(うち第1筋はしばしば退化的)と記載します。近年の解剖研究では、この第1筋が85パーセント超の標本で確認されると報告されており、4筋とする見方が有力になっています。
掌側骨間筋を支配する神経は何ですか。
掌側骨間筋は尺骨神経の深枝に支配され、神経根はC8とT1に由来します。背側骨間筋や他の多くの手内在筋と同じ支配であるため、尺骨神経が障害されると指の内転力が大きく低下します。
掌側骨間筋の作用を教えてください。
主な作用は第2・第4・第5指の内転で、中指の軸に向けて指を閉じる動きです。加えて中手指節関節(MP関節)の屈曲と指節間関節(IP関節)の伸展に関与し、PADという語呂(Palmar ADduct)で内転筋であることを覚えます。背側骨間筋の外転(DAB)と対になり、指の精密な開閉を生み出します。
掌側骨間筋が障害されるとどんな症状や徴候が出ますか。
尺骨神経麻痺では掌側骨間筋が弱り、指を閉じる内転力が低下して紙などを挟めなくなります。机に置いた紙を指の間で保持するCard test(紙引き抜きテスト)で評価でき、小指が外転したままになるWartenberg徴候も陽性となります。さらに進行すると第4・第5指が伸展位かつ屈曲位をとる鷲手(claw hand)が現れます。
掌側骨間筋は触診できますか。難しいのはなぜですか。
掌側骨間筋は手掌の深層で中手骨の間に隠れ、上を母指内転筋や深指屈筋腱などが覆うため、体表から個別に触り分けるのは困難です。臨床では直接触診よりも、紙を挟む内転動作の力やWartenberg徴候といった機能評価を通じて間接的に状態を確認します。
掌側骨間筋(PAD)と背側骨間筋(DAB)はどう違いますか。
掌側骨間筋は指を中指側へ閉じる内転筋でPAD(Palmar ADduct)、背側骨間筋は指を中指から離す外転筋でDAB(Dorsal ABduct)と覚えます。掌側は単羽状で手掌側に小さく位置し、背側は二頭性で中手骨間の背側にあり大きいという形態差もあります。両者は中手指節関節で拮抗し合い、指の精密な開閉制御を担います。
掌側骨間筋は一本歯下駄GETTAの手の精密制御や全身連動とどう関わりますか。
掌側骨間筋は指を閉じて道具や対象を細かく保持する精密把握を担い、固有受容の豊かな供給源でもあります。一本歯下駄GETTAでは足裏の不安定さが鳩尾を介して全身へ連鎖し、手と体幹が一つの連動として働く中で、こうした末端の微細な制御感覚が再び開かれていきます。鍛えるのではなく、履くことで身体が中動態的に応答し、手と体幹の連動が立ち上がる過程として捉えられます。
掌側骨間筋と虫様筋はどう協働しますか。
掌側骨間筋は中手指節関節を屈曲させつつ指節間関節を伸展させ、虫様筋も同様に基節を屈曲させ中節と末節を伸展させて、両者が協働して指をまっすぐ伸ばしたまま付け根で曲げる動きをつくります。この協調は字を書く、ボタンをかけるといった精密動作の土台です。虫様筋は橈側が正中神経、尺側が尺骨神経支配で、骨間筋とともに手の繊細な運動を分担します。
参考文献・一次ソース
- Kenhub: Palmar interossei muscles起始・停止・神経支配(尺骨神経深枝C8-T1)・作用(PAD内転+MP屈曲+IP伸展)・PAD/DABの記憶法。数は4(時に3)と明記
- NCBI StatPearls: Hand Palmar Interosseous Muscle (NBK537165)数は通常4(時に3)、第1筋はpollical palmar interosseousとして85%超で存在との近年知見。Card test・Wartenberg徴候・鷲手を詳述
- PubMed で「Palmar interossei muscle」を検索(米国国立医学図書館・英語論文DB)一次研究(原著論文)の網羅的検索入口
- J-STAGE で「掌側骨間筋」を検索(日本の学術論文DB)国内の解剖学・運動学の査読論文を横断検索
- CiNii Research で「掌側骨間筋」を検索(国立情報学研究所)国内学術論文・図書・博士論文の横断検索
- 国立国会図書館サーチで「掌側骨間筋」を検索(NDL)解剖学・運動学の書誌情報の一次調査
関連図鑑・内部リンク
GETTA思想体系での位置づけ
掌側骨間筋は手の精密把握と固有受容の要であり、GETTAでは足裏の不安定が鳩尾を介して手と体幹を一つの連動へ束ねる。末端の微細な制御が再びひらかれていく、全身連動の末梢の結節点である。
CLINICAL TOOLKIT ── 一本歯下駄GETTAを臨床に
掌側骨間筋を、足元から起こす一足。
解剖の次に、立つ。
指導者がまず自分の足で確かめる3モデル。


