頸部(Neck)完全解剖図鑑 — 12筋を網羅

HEAD & NECK / CATEGORY 14

頸部

Neck
領域頭頸部
収録筋12筋
臨床例7項目
図版2枚
OVERVIEW / 概要

頸部とは

頸部筋群は浅層(胸鎖乳突筋・広頸筋)と深層(斜角筋・椎前筋・後頭下筋群)に分かれる。胸鎖乳突筋(SCM)は前外側の代表筋で、片側収縮で対側回旋・同側側屈、両側収縮で頸部屈曲。斜角筋群(前・中・後)は腕神経叢通過の通路を形成し、Thoracic Outlet Syndromeの責任筋。

日常生活で頭部の支持(5-6kgの頭部を24時間支持)、視線の方向決定、呼吸補助で動員。スポーツでは姿勢制御の基盤。近年のスマートフォン世代でTexting neck・Forward head posture(前方頭位)が社会問題化。後頭下筋群(4筋)は固有受容覚の宝庫で、目-平衡感覚の統合に寄与。

臨床的には頸部痛・むちうち(whiplash)・緊張性頭痛・Thoracic Outlet Syndrome・頸椎症性脊髄症・前方頭位による上交差症候群など。GETTA歩行は重心位置の最適化を通じて頸部負荷を軽減し、特に後頭下筋群の固有受容覚活性化を促す。

ILLUSTRATIONS / 解剖図譜 (9枚)

頸部の解剖学的図版で視覚的に学ぶ

椎前筋群
椎前筋群
頸部_椎前筋群
舌骨上筋群
舌骨上筋群
頸部_舌骨上筋群
舌骨下筋群
舌骨下筋群
頸部_舌骨下筋群
斜角筋
斜角筋
頸部_斜角筋
深層
深層
頸部_骨_深層
骨
頸部_骨
後頭下筋群
後頭下筋群
頸部_後頭下筋群
筋全体
筋全体
頸部_筋全体
胸鎖乳突筋
胸鎖乳突筋
頸部_胸鎖乳突筋
MUSCLES / 収録筋

頸部の主要筋(12筋)

胸鎖乳突筋
Sternocleidomastoid (SCM)
対側回旋+同側側屈。両側で頸部屈曲
広頸筋
Platysma
頸部皮筋。表情筋
前斜角筋
Scalenus anterior
頸椎側屈+第1肋骨挙上。TOSの前部三角
中斜角筋
Scalenus medius
頸椎側屈+第1肋骨挙上。TOSの後部三角
後斜角筋
Scalenus posterior
頸椎側屈+第2肋骨挙上
頭板状筋
Splenius capitis
対側回旋+伸展+側屈
頸板状筋
Splenius cervicis
対側回旋+伸展+側屈
小後頭直筋
Rectus capitis posterior minor
後頭下筋群。固有受容覚密度最大
大後頭直筋
Rectus capitis posterior major
後頭下筋群
上頭斜筋
Obliquus capitis superior
後頭下筋群
下頭斜筋
Obliquus capitis inferior
後頭下筋群
椎前筋群
Prevertebral muscles
深層屈曲。前方安定化
ANATOMY TRAINS / 筋膜連結

アナトミートレイン上の位置づけ

MYOFASCIAL MERIDIANS
Superficial Back Line(SBL):頭板状筋・後頭下筋群。Superficial Front Line(SFL):胸鎖乳突筋。Deep Front Line(DFL):椎前筋群・斜角筋群
CLINICAL SIGNIFICANCE / 臨床的意義

代表的な臨床疾患・機能不全

  • むちうち(Whiplash)
    頸椎捻挫。交通外傷・スポーツ外傷
  • Thoracic Outlet Syndrome
    斜角筋三角での腕神経叢・血管絞扼
  • 緊張性頭痛
    後頭下筋群・僧帽筋上部の慢性緊張
  • Forward head posture(前方頭位)
    スマホ世代の上交差症候群
  • 頸椎症性神経根症
    頸椎椎間孔狭窄
  • 頸椎症性脊髄症
    頸椎椎間関節症・後縦靱帯骨化症
  • Vestibular dysfunction
    後頭下筋群の固有受容覚低下
SPORTS & GETTA APPLICATION

スポーツ・GETTA文脈での活用

スポーツ関連:柔道・レスリング・ラグビー(タックル)・ボクシング・自転車(前傾姿勢維持)・水泳。頭部位置決め=視覚情報統合の基盤。
GETTA文脈:GETTA歩行による全身姿勢の自然な最適化を通じて、頸部負荷が軽減される。GETTAバランスでの後頭下筋群の固有受容覚活性化が、目-前庭-体性感覚の三位一体統合を促す。
13 MUSCLES / 個別ページ

頸部13筋の個別解剖図鑑

各筋の起始・停止・神経支配・作用・触診・臨床的意義・AT/PT国家試験レベルの深部機能解剖まで網羅。専用解剖図付き完全個別ページ。
芝生の広場をはだしで駆ける子どもOFFICIAL LINEブログには書ききれない一次情報を、公式LINEで直接お届け。実践トレーニング / 体験会・講習会の先行案内 / 身体と神経の研究アップデート友だち追加(無料)

DEFINITION & REFERENCES

頸部とは——定義と一次文献

頸部(けいぶ・Neck)とは、頭部と体幹をつなぎ、約5〜6kgの頭部を抗重力的に支持しながら、視線の方向決定・呼吸補助・嚥下・発声、そして頭位の固有受容を通じた全身平衡の最上位制御を担う身体領域である。

頸部の筋は、浅層(胸鎖乳突筋・広頸筋)、外側(斜角筋群=呼吸補助筋かつ腕神経叢の通路)、後方(板状筋・後頭下筋群=伸展・回旋・固有受容)、深層前方(椎前筋群=分節安定と頭頸部の微調整)に整理できる。とりわけ後頭下筋群は筋紡錘の密度が突出して高く、頭位の固有受容を前庭系・視覚と統合する姿勢制御の中枢である。以下は本ページの事実確認に用いた一次・準一次の権威文献であり、各筋の起始・停止・神経支配・作用はこれらと照合済みである。

FREQUENTLY ASKED QUESTIONS

頸部の解剖・機能 よくある質問

頸部にはいくつの筋がありますか。代表的な筋は何ですか。

本図鑑では頸部の主要12筋を収録しています。浅層の胸鎖乳突筋(SCM)・広頸筋、外側の斜角筋群(前・中・後)、後方の頭板状筋・頸板状筋と後頭下筋群(小後頭直筋・大後頭直筋・上頭斜筋・下頭斜筋)、深層前方の椎前筋群です。実際にはさらに舌骨上筋群・舌骨下筋群など多数が頸部の運動・嚥下・呼吸補助に関与します。

胸鎖乳突筋(SCM)の起始・停止・神経支配・作用を教えてください。

胸鎖乳突筋は胸骨柄前面(胸骨頭)と鎖骨内側1/3(鎖骨頭)に起始し、側頭骨の乳様突起と後頭骨上項線に停止します。運動は副神経(CN XI)が支配し、固有受容は頸神経叢C2-C3が担います。作用は片側収縮で対側回旋+同側側屈、両側収縮で頸部屈曲、頭部固定時には胸骨・鎖骨を引き上げて吸気を補助します。

斜角筋とThoracic Outlet Syndrome(TOS)はどう関係しますか。

前斜角筋と中斜角筋、そして第1肋骨が作る三角形の隙間を斜角筋三角(interscalene triangle)と呼び、ここを腕神経叢と鎖骨下動脈が通過します。この通路が筋緊張や肋骨位置で狭くなると神経・血管が圧迫され、上肢のしびれや痛みを生じます。これがThoracic Outlet Syndrome(TOS)で、前斜角筋がしばしば責任筋となります。

後頭下筋群が固有受容(バランス)で重要なのはなぜですか。

後頭下筋群(後頭下神経C1後枝支配の4筋)は、同じ大きさの他の筋に比べて筋紡錘の密度が突出して高く、頭部の微小な傾きを高分解能で検出します。この情報が前庭系・視覚と統合され、姿勢制御と眼球運動(cervico-ocular reflex)を司ります。さらに小後頭直筋から硬膜へ連結する myodural bridge(筋硬膜架橋)が確認されており、頸性頭痛との関連も報告されています。

頭部はどの筋で回旋しますか。下頭斜筋の役割は何ですか。

頭部の回旋には胸鎖乳突筋(対側回旋)や板状筋(同側回旋)など複数の筋が協働しますが、上部頸椎C1-C2(環軸関節)での回旋は下頭斜筋が主動筋となります。環軸関節は頸部回旋の大部分を担う関節で、下頭斜筋は軸椎棘突起から環椎横突起へ走り、頭部を同側へ精密に回旋させます。

前方頭位(スマホ首)で弱くなる筋と、その評価法は何ですか。

前方頭位(forward head posture)では、椎前筋群(頚長筋・頭長筋・前頭直筋・外側頭直筋)などの深層頸屈筋の活性が低下し、代わりに胸鎖乳突筋や舌骨筋が過剰に働きます。深層屈筋の働きは craniocervical flexion test(CCFT)で評価され、頸部の前弯保持と分節安定(Cervical Inner Unit)の指標になります。

一本歯下駄(GETTA)は頸部の固有受容にどう作用しますか。

一本歯下駄は支持基底面を意図的に小さくし、足裏に微小な不安定さ(ノイズ)を与えます。重心を保とうとする調整要求は足部から骨盤・脊柱を経て頭頸部へ上行し、頭位を一定に保つ後頭下筋群・椎前筋群の固有受容ループを高頻度で賦活します。視線を水平に保ったまま体軸が揺らぎに追従するこの状態は、足裏から鳩尾へと続く解像度が頸部の最上位制御まで連続することを示します。

頸部について、よくある誤解にはどんなものがありますか。

よくある誤解は、頸部の安定を太い表層筋(胸鎖乳突筋など)の強さだと考えることです。実際には深層の椎前筋群と後頭下筋群による分節安定・固有受容こそが姿勢制御の基盤であり、表層筋に頼りすぎると前方頭位や緊張性頭痛を招きます。また斜角筋は単なる側屈筋ではなく呼吸補助筋であり、過緊張はTOSの一因になります。

芝生の広場をはだしで駆ける子ども

OFFICIAL LINE

成長に役立つ情報をキャッチできる公式LINE

一本歯下駄GETTAの実践トレーニング、体験会・講習会の案内、身体と神経の研究アップデート。ブログには書ききれない一次情報を、LINEで直接お届けします。

  • 今日から使える実践トレーニング
  • 体験会・講習会の先行案内
  • 身体と神経の研究アップデート
友だち追加(無料)

登録・受信は無料 / 解除はいつでもできます